SNS上で急速に拡散している「7月5日に大災害が発生する」という予言について、京都大学名誉教授で科学の伝道師として知られる鎌田浩毅氏が5日、ABCテレビの情報番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」に出演し、専門家の立場から見解を述べた。この予言は、ある漫画家の予知夢に関する著作が発端とされている。
発端となった『私が見た未来』とは
この予言の発端とされているのが、漫画家・たつき諒氏の漫画『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社)だ。同氏は予知夢として災害を描き、特に2011年3月の東日本大震災を予言したとされる一部での注目を集めた。たつき氏は著書の中で、予知夢の内容について「その災難が起こるのは、2025年7月です」と記しており、これが今回の「7月5日大災害」予言騒動の根拠の一つとなっている。
専門家・鎌田氏の見解
火山学、地質学、地球変動学を専門とする鎌田名誉教授は、番組内でこの予言について語った。同氏は、予言や神話は「文化」として捉え、過去のノストラダムスの大予言などと同様に大切にされるべきものだと前置きした。しかし、科学者の立場としては、事実に基づき、論理的な説明が可能である必要があると強調。
ABCテレビ「正義のミカタ」に出演し、「7月5日大災害予言」について科学的見解を述べる京都大学名誉教授・鎌田浩毅氏
その上で、「7月5日の大災害」に関する予言については、「事実も理屈もない」と断言した。鎌田氏は視聴者に対し、「(科学的根拠がないため)楽しんでくださいねというスタンスです」と述べ、エンターテインメントとして捉えるべきだとの見解を示した。科学的な根拠に基づかない予言に対しては、冷静な対応が必要であることを示唆した形だ。
結論
今回の「7月5日大災害予言」はSNSを中心に大きな話題となっているものの、火山学・地質学の専門家である京都大学名誉教授の鎌田氏からは、科学的な事実や論理に基づいたものではないとの明確な見解が示された。文化的な現象としては興味深い一方、科学の観点からは根拠に乏しい予測として区別されるべきだろう。