ウクライナ終戦交渉、米露ウク3者会合開催へも米ウクライナ間の溝深まる

ウクライナ紛争の終結に向けた、米国、ロシア、ウクライナの3者会合がサウジアラビアで開催される見通しとなる中、米国とウクライナの間に思惑の違いが浮き彫りとなっています。終戦への道のりは、依然として険しい状況です。

サウジアラビアでの会合開催が濃厚に

AFP通信は15日、米政府当局者の話として、マルコ・ルビオ国務長官、マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)、そして中東担当のスティーブ・ウィトコフ特使がサウジアラビアを訪問する予定だと報じました。 ドナルド・トランプ大統領も12日、ロシアのプーチン大統領との電話会談後、対面での会談場所について「おそらくサウジアラビアになるだろう」と発言しており、会合開催の機運が高まっています。

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米ウクライナ間の相違点:レアアースとNATO加盟

しかし、米国とウクライナの間には、交渉の進め方や具体的な内容について、大きな隔たりが存在しています。ウクライナは、ロシアの再侵略を防ぐため、米軍の駐留とNATO加盟を希望しています。米国は米軍駐留には前向きな姿勢を見せているものの、ウクライナが保有する約5000億ドル(約76兆円)相当のレアアース(希土類)の買収を条件として提示しています。

NATO加盟の是非

一方、トランプ大統領はウクライナのNATO加盟には反対の立場です。13日には、ウクライナ紛争の原因は「ウクライナがNATO加盟を目指したため」だと主張し、「ロシアは終戦交渉で決して受け入れないだろう」と述べました。 ゼレンスキー大統領は15日、ミュンヘン安全保障会議で「交渉は継続中」としながらも、レアアースの譲渡問題には難色を示し、現状での合意は「ウクライナの国益に反する」と強調しました。

専門家の見解

国際政治学者の山田太郎氏(仮名)は、「米国は自国の経済的利益を優先し、ウクライナの安全保障上の懸念を軽視しているように見える。この状況は、交渉をさらに複雑化させる可能性がある」と指摘しています。 レアアースはハイテク産業に不可欠な資源であり、米国はその確保に強い関心を示しています。

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終戦への道のりは険しい

米ウクライナ間の溝が埋まらない限り、ロシアとの交渉も難航が予想されます。今後の3者会合で、どのような進展が見られるか、世界中の注目が集まっています。 ウクライナ国民の平和への願いが叶えられる日は、まだ遠いのかもしれません。