ローマ(CNN) イタリア南部シチリア島のエトナ山では雪が降り積もる中、1週間に及ぶ噴火で溶岩の噴出が続き、その様子を見ようと何千人もの観光客が押し寄せている。エトナ山は世界で有数の活火山。
シチリア島の市民保護当局の責任者サルボ・コチーナ氏は、観光客の急増が安全上のリスクになっていると警鐘を鳴らす。
同氏はCNNに、観光客の大半は十分に装備し、ガイドが同行しているが、「何千人もの人々が絶えず殺到し、無秩序に駐車したり、狭い道の端をハイキングしたりすることで、救助車両の通行を妨げている」と語った。
コチーナ氏によると、17日にガイドなしで山登りを試みていた8人が行方不明になり、数時間後に救助隊によって発見される出来事があった。16日には48歳の男性が氷の上で転倒し足を骨折したという。
同氏は、救急車やオフロード車を含む救助隊員が常駐していることは、火山で働く人々や、山を案内するガイドにとって重要だと指摘。「彼らを阻止することで、すべての人にとって危険な状況が生まれている」と述べた。
同国の国立地球物理火山学研究所によると、現在の噴火は今月11日に始まった。明るいオレンジ色の溶岩が山腹を流れ落ちる様子を捉えた動画や写真は、SNSに投稿され、話題になった。
山腹に住む火山学者によると、標高約1950メートルまで流れ落ちた溶岩は、側道付近の木々を破壊したという。
エトナ山は世界で最も活発な火山であるだけでなく、欧州で最も標高の高い火山でもあり、その高さは約3350メートルに及ぶ。
2023年にはエトナ山から噴きだした火山雲により、シチリア島で最大規模の空港が閉鎖され、フライトの遅延やキャンセルなどが発生した。