小惑星「2024 YR4」地球衝突の可能性は? 最新情報と専門家の解説

2024年12月に発見された小惑星「2024 YR4」。地球への衝突の可能性が報じられ、不安の声が広がっています。この記事では、最新の情報を整理し、専門家の解説を交えながら、小惑星衝突のリスクについて分かりやすく解説します。

小惑星「2024 YR4」とは?

「2024 YR4」は、南米チリの観測所が発見した小惑星です。当初、2032年に地球に衝突する確率は1.2%とされていましたが、NASAの発表によると、その確率は3.1%に上昇しました。その後、1.5%に下方修正されましたが、依然として警戒が必要です。

小惑星2024 YR4の軌道予測図小惑星2024 YR4の軌道予測図

小惑星の直径は40mから90mと推定され、衝突時の速度は時速約6万4000kmに達すると予想されています。もし地球の大気圏に突入した場合、空中爆発を起こし、広範囲に被害が及ぶ可能性があります。衝突の可能性がある地域は、東太平洋、南米北部、アフリカ、南アジアなど、1億人以上が危険にさらされているとされています。

過去の隕石落下事例:ロシア・チェリャビンスク隕石

2013年には、ロシアのチェリャビンスクに隕石が落下し、半径100kmにわたり被害が発生、1200人以上が負傷しました。この隕石の直径は推定17mでしたが、「2024 YR4」は最大でその5倍以上の大きさがあると推定されており、衝突した場合、甚大な被害が予想されます。

専門家の見解:衝突確率3.1%は高い?低い?

日本スペースガード協会主任研究員であり、JAXA美星スペースガードセンターで小惑星の観測業務も行っている浦川聖太郎氏に、今回の小惑星衝突の可能性について解説していただきました。

衝突確率の変動と観測の重要性

浦川氏によると、衝突確率が3%に近づくのは2000年以降で2例目と珍しい事例です。3%という確率の捉え方は人それぞれですが、F1レーサーのマックス・フェルスタッペン選手のリタイア率とほぼ同じくらいだと例えています。

小惑星「2024 YR4」の衝突確率は変動しており、観測データの増加によってさらに変化する可能性があります。5月上旬までの観測期間で確定的な結論は出ませんが、次の観測チャンスは2028年です。

観測の難しさ

小惑星は現在、地球から急速に遠ざかっており、観測が難しくなっています。大きな望遠鏡でなければ観測できないため、観測可能な期間は限られています。過去のアーカイブ画像から「2024 YR4」が発見されれば、軌道の計算精度が向上し、より正確な予測が可能になります。

地球を守るために

小惑星衝突は、地球規模の災害を引き起こす可能性がある深刻な脅威です。継続的な観測と研究、そして国際的な協力体制の構築が、地球を守る上で不可欠です。

(参考) 国立天文台、JAXA

まとめ

小惑星「2024 YR4」の地球衝突の可能性は低いものの、予断を許さない状況です。今後の観測結果に注目し、最新情報を確認するようにしましょう。宇宙の脅威から地球を守るために、私たち一人ひとりが関心を持つことが大切です。