韓国憲法裁の弾劾審判指揮巡り深まる社会対立 「野党に偏っている」と判事ら攻撃の標的に


尹氏を弾劾訴追した国会側は18日の第9回弁論で、戒厳宣布について「禁断の行為であり、最悪の憲政破壊行為」だと指摘した。尹氏側弁護団は「合法的で平和的な戒厳」だったと反論。「戒厳で国民が負傷したりする被害は全くない」と説明するなど、主張は真っ向から対立してきた。

尹氏の罷免の可否を決める憲法裁による審判の進行方法に対しても、尹氏側は繰り返し不満を示してきた。憲法裁は、検察が取り調べた警察庁の趙志浩(チョ・ジホ)長官の供述調書を尹氏側の異議にもかかわらず、証拠採用した。国会側が18日の弁論で公開した調書内容によると、尹氏は昨年12月の戒厳時、趙氏に電話で「国会に入る議員を捕まえろ。拘束しろ。違法だ」と告げたとされる。趙氏は尹氏から計6回、同様の内容の電話を受けたと供述した。

尹氏が国会議員の拘束を指示したかどうかは、弾劾審判と刑事裁判のいずれにおいても最大の焦点の一つだ。

尹氏側は、反対尋問も行っていない関係者の調書を証拠採用するのは違法だと反発。尹氏側弁護士はかばんを持って退廷し、抗議の意を示した。憲法裁は結局、趙氏の証人尋問を20日に行うことを決めた。ただ、憲法裁は20日までに主要な証人尋問を終え、近く結審するとみられている。

保守系与党「国民の力」の議員らは最近、憲法裁に抗議に訪れ、「結論ありきだ」と性急な審判進行を批判している。尹氏側や支持者らは、思想的に野党側に偏った複数の判事が弾劾審判に加わっていると主張し、審判から外れるようにも要求してきた。

尹氏支持層による大規模デモも拡大傾向にあるが、デモでは特定の判事らが名指しで非難されるなど、政治的な攻撃の標的にもされている。最近の世論調査によると、憲法裁の審判過程を信頼するとの回答が54%だったのに対し、信頼しないとの答えも41%に上り、社会の二分化が浮き彫りになっている。



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