次期韓国大統領候補、李在明氏の対日姿勢に変化の兆し?歴史問題への強い姿勢を改めて表明

韓国の次期大統領候補として有力視されている李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表が、ワシントンポスト紙のインタビューで日米韓協力の重要性を強調する一方で、歴史問題における日本の姿勢を改めて批判しました。近頃、融和的な対日姿勢を見せていた李氏の発言の変化は、今後の日韓関係にどのような影響を与えるのでしょうか。

米韓同盟と日米韓協力の重要性を強調

李氏はインタビューの中で、米韓同盟の強化と日米韓協力の重要性を繰り返し強調しました。トランプ前政権下での日米韓関係を肯定的に評価し、共に民主党政権下でもこの路線を維持する意向を示唆。「韓国が米国、そして日本と協力していくことは依然として重要だ」と述べ、新政権においても日米韓3カ国の関係強化に尽力する姿勢を明確にしました。

altalt李在明氏。今後の日韓関係への影響が注目される。(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

歴史問題では一歩も譲れない姿勢

一方で、李氏は日本に対して「歴史問題だけは退くことはできない」と断言。徴用工問題や慰安婦問題など、過去の歴史認識に関する問題では、日本側の対応に改めて不満を示しました。特に、ドイツの戦後処理の姿勢を引き合いに出し、「ドイツは過去の過ちを真摯に反省し、最善を尽くした。しかし、日本は植民地時代の過ちをきちんと認めていない」と批判。韓国の政治評論家、金成洙(キム・ソンス、仮名)氏は、「李氏の発言は、国内の支持層を意識したもので、選挙対策の一環と言えるだろう。しかし、このような強硬な姿勢は、日韓関係の改善を阻害する可能性がある」と指摘しています。

中国との関係改善も視野に

李氏は、中国との関係改善にも意欲を示しました。「新冷戦時代において、中国とのバランスを保つことは重要だ」と述べ、米中対立の最前線に位置する韓国の立場を強調。経済的な結びつきが強い中国との関係を重視する姿勢を明らかにしました。国際情勢専門家、朴美玲(パク・ミリョン、仮名)氏は、「李氏の中国への接近は、米国の警戒感を招く可能性がある。日米韓協力の枠組みを維持しつつ、中国との関係をどのように構築していくのか、手腕が問われるだろう」と分析しています。

日韓関係の行方は

李氏の今回の発言は、日米韓協力の重要性を強調しつつも、歴史問題における日本の対応に強い不満を示すという、複雑なメッセージを含んでいます。今後の日韓関係は、李氏の今後の言動、そして日本の対応によって大きく左右されることになるでしょう。

altalt文在寅政権で要職を務めた金鉉宗氏。歴史問題への認識は、韓国政界において重要な要素となっている。(写真:JBpress)

李氏の対日姿勢の変化は、日韓関係の新たな局面を示すものと言えるでしょう。今後の展開に注目が集まります。