中国海軍のタスマン海演習、ニュージーランドが懸念表明 – unprecedentedな示威行動か

ニュージーランド政府は、中国海軍がオーストラリアとニュージーランド間のタスマン海で実施した実弾演習に対し、改めて懸念を表明しました。この演習は、高度な兵器を搭載した中国軍艦による前例のない示威行動とみられ、国際社会の注目を集めています。

中国海軍、タスマン海で実弾演習 – 高性能兵器による示威行動

2023年2月21日と22日、中国海軍の艦隊がタスマン海で2回の実弾演習を実施しました。この演習には、フリゲート艦、巡洋艦、補給艦が参加し、旅客機の針路変更を余儀なくさせるなど、オーストラリアとニュージーランドの当局者を緊張させました。

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ニュージーランドのコリンズ国防相は、タスマン海におけるこのような演習は前例がないと指摘し、中国の軍事力増強への懸念を表明しました。特に、垂直発射セル112基を備え、対艦弾道ミサイルの射程が約1000キロに及ぶとされる艦艇の存在は、地域の安全保障に大きな影響を与える可能性があります。

中国の狙いは? – 外洋海軍建設への布石か

シンガポールS.ラジャラトナム国際研究院のコリン・コー氏によると、今回の演習に参加した055型駆逐艦「遵義」は、中国海軍が保有する水上戦闘艦の中でもずば抜けて高い性能を誇ります。弾道ミサイルに加え、極超音速ミサイルの発射能力も有するとされ、その存在は周辺国にとって大きな脅威となっています。

コー氏は、055型駆逐艦が本格的な戦闘艦隊の一員としてタスマン海に展開されたことは異例であり、中国が外洋海軍建設に向けて着実に歩を進めていることを示唆していると分析しています。中国は近年、近海から遠海への進出を加速させており、今回の演習もその一環とみられています。

中国メディアの反応 – 西側諸国への警告

中国国営メディアは、西側諸国は中国海軍の遠洋における軍事演習に慣れるべきだと主張しています。中国の軍事専門家である宋忠平氏は、中国海軍は公海上で演習を行う頻度を増やすとし、西側諸国はこれに適応する必要があると警告しています。

中国は習近平国家主席の指導下で海軍力の増強を続けており、現在では370隻を超える艦艇と潜水艦を保有する世界最大の海軍となっています。その活動範囲も拡大しており、中国近海にとどまらず、遠洋にも進出しています。

結論 – 中国の海洋進出と国際社会の対応

今回の中国海軍によるタスマン海での実弾演習は、中国の海洋進出を改めて印象付ける出来事となりました。周辺国は、中国の軍事力増強の動向を注視し、適切な対応策を講じる必要があります。国際社会は、中国との対話を継続しつつ、地域の平和と安定を維持するための努力を続けることが重要です。