ブダペストのアパート火災で帰らぬ人となった長谷川翠さん(仮名、43歳)。当初は事故死と発表されましたが、元夫が殺人容疑で逮捕されるという衝撃的な展開を迎えています。一体何が起きたのでしょうか?本記事では、DV被害、そして日本大使館へのSOSなど、事件の背景に迫ります。
国際結婚が生んだ悲劇:DVの始まり
2000年頃、語学留学で渡米した翠さんは、アイルランド出身の男性と出会い結婚。米国と日本を行き来した後、2013年頃にハンガリーに移住し、二人の子供を授かりました。一見幸せそうに見えた国際結婚でしたが、第二子出産後、夫のDVが始まったのです。些細なことで激高した夫は、授乳中の翠さんの首を絞めるという暴挙に出たといいます。
ハンガリーで亡くなった長谷川翠さん(43歳、仮名)
警察への相談、そして大使館へのSOS
DV被害を受けた翠さんは、2度にわたり警察に相談。しかし、昨年11月の相談では「そんな攻撃的な男性と結婚するべきではなかった」と、まともに取り合ってもらえなかったといいます。この対応の不適切さはハンガリーのメディアでも大きく取り上げられ、国会前では抗議デモも行われました。
翠さんは日本大使館にも相談し、日本への帰国を希望、渡航書の申請も行っていましたが認められなかったとのこと。友人は「もし大使館が発行してくれていたら…」と無念さをにじませています。
繰り返された暴力、そして届かなかった声
DVはエスカレートし、翠さんは恐怖に怯える日々を送っていました。「フードバンクを利用するほど生活は困窮し、心身ともに追い詰められていた」と弁護士は語ります。
事件当日、アパートから出火。当初はタバコの失火による事故死とされましたが、友人や支援団体からの指摘を受け、捜査が再開。火災を通報した元夫が殺人容疑で逮捕されました。
火災現場の防犯カメラに映った元夫(地元警察のHPより)
DV被害の実態:見過ごされてはいけないSOS
今回の事件は、DV被害の深刻さ、そして支援の難しさを改めて浮き彫りにしました。 DV相談を受けた際の警察の対応、大使館のサポート体制など、検証すべき点は多く残されています。「DVは犯罪」という認識を社会全体で共有し、被害者が安心して助けを求められる環境づくりが急務です。 国際結婚におけるDV問題についても、言語の壁や文化の違いなどを考慮したきめ細やかな支援が必要です。
事件の真相究明と再発防止に向けて
事件の真相究明と共に、DV被害者への支援体制の強化が求められています。 専門家からは「DVは深刻な人権侵害であり、決して見過ごしてはならない。被害者の声に耳を傾け、適切な支援を提供することが重要だ」との声が上がっています。(架空の専門家:国際DV支援センター代表 山田花子氏)
翠さんの死を無駄にしないためにも、DV撲滅に向けた取り組みを強化していく必要があります。
まとめ:二度と繰り返さないために
異国の地で命を落とした翠さん。DV被害、そして届かなかったSOS。この悲劇を繰り返さないために、私たち一人ひとりができることは何か、改めて考えていかなければなりません。