現在、世界中で絶大な人気を誇るアメリカの歌手サブリナ・カーペンターが、あるテレビ番組でのパフォーマンスを巡り、日本の文化に対する配慮の欠如が指摘され、物議を醸しています。この出来事は、国際的な舞台での文化理解と敬意の重要性を改めて浮き彫りにしています。
世界を魅了する歌姫、サブリナ・カーペンターとは
サブリナ・カーペンターは、そのキュートなルックスとパワフルな歌声で、特に若者世代から「令和の歌姫」と称され、世界的な注目を集めています。彼女の楽曲は、セクシーでセンセーショナルなメッセージを含んだ歌詞が特徴で、多くの女性ファンから支持を得ています。また、テレビ番組やライブでの率直なトークも、その人気の理由の一つとされています。
『Saturday Night Live』での“和”を意識したパフォーマンス、その問題点
サブリナが今回問題となったパフォーマンスを披露したのは、アメリカの長寿バラエティ番組『Saturday Night Live』でした。昨年8月に発売された新アルバムに収録されている『Nobody’s Son』を歌唱した際、ステージは障子や畳を模したセットで囲まれ、「和」の要素を意識した演出が施されていました。サブリナ自身も、空手の道着をアレンジしたような衣装に身を包んでいました。
しかし、歌い始めたサブリナは、パンプスを履いたまま畳を模したマットの上でパフォーマンスを続けました。さらに、曲の中盤では、彼女の後ろで空手の動きを取り入れたダンスを披露していたダンサーたちも、靴を履いたまま畳マットに乗っていました。この行為に対し、日本国内のファンからは「これはダメ」「好きだっただけにショック」といった落胆の声が上がりました。畳は日本では素足で上がるのが一般的であり、靴を履いたまま踏むことは非常に無礼な行為とされています。
サブリナ・カーペンターが和風セットのステージで靴を履いたままパフォーマンスする様子。日本の文化への配慮が問われた国際的な歌姫のステージ
リナ・サワヤマが投げかけた“文化への敬意”
このパフォーマンスに対し、海外で活躍する日本出身のシンガー、リナ・サワヤマも自身のInstagramストーリーズで“苦言”を呈しました。彼女は「サブリナに大きな愛を。でも、アーティスト、クリエイティブチームの方たちへ…もしハッキリと特定の文化を参照する場合は、その文化にふさわしいものになるようリサーチして、敬意・配慮をもってください。靴のまま畳にあがるのは絶対ダメです」と投稿し、文化への適切な理解と敬意の重要性を訴えました。
サブリナ側からは、この騒動に対する公式な釈明は今のところありませんが、一部のファンからは「文化盗用ではないか」という指摘も出ています。他国の文化を取り入れる際には、その背景にある習慣や価値観を深く理解し、適切な敬意を払うことが求められます。
まとめ
今回のサブリナ・カーペンターのパフォーマンスは、国際的なアーティストが異文化の要素を取り入れる際の難しさと、それに伴う責任を浮き彫りにしました。畳の上で靴を履くという行為は、日本の文化において無礼とされる習慣であり、意図せずとも誤解や不快感を与えてしまう可能性があります。リナ・サワヤマのコメントが示すように、文化を参照する際には徹底したリサーチと、その文化への深い敬意と配慮が不可欠です。この出来事が、世界中のアーティストとクリエイティブチームにとって、文化交流のあり方を再考するきっかけとなることを期待します。
参照元
- Yahoo!ニュース (SmartFLASH): サブリナ・カーペンターが「畳の上に靴」批判殺到も謝罪なし…海外で活躍する日本人アーティストも“苦言”「絶対ダメ」
- Reuters / AFLO (写真提供)