依存症:孤独が招く心の病?専門家に見解を聞く

依存症は、個人の責任だと片付けられることが多いのではないでしょうか?しかし、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦医師によると、依存症の背景には、社会との繋がりが希薄になる「孤独」や、幼少期のトラウマといった複雑な要因が潜んでいるといいます。jp24h.comでは、依存症の真の姿に迫り、必要な社会の支援について考えていきます。

依存症とは何か?アルコールの危険性

依存症とは一体どんな病気なのでしょうか?依存症治療の第一人者である松本俊彦医師は、薬物依存症を専門としながら、アルコールもエタノールという薬物の一種であると指摘します。

「統計的に見ると、他者への暴力や迷惑行為につながる薬物として、最も危険なのはアルコールです。脳の萎縮や臓器障害といった深刻な健康被害も、アルコールによる影響が最も大きいのです。大麻と比較しても、身体への悪影響はアルコールの方が大きいと考えられます。」と松本医師は警鐘を鳴らします。

アルコールの危険性を示すイメージアルコールの危険性を示すイメージ

コンビニエンスストアで手軽に購入できるアルコールとは対照的に、大麻は所持・使用が法律で厳しく禁じられています。松本医師は、「アルコールは広く一般に受け入れられており、禁止すれば大きな反発を招くでしょう。そのため、アルコールに対しては寛容な社会になっているのです。薬物の合法・非合法の線引きは、医学的な根拠に基づいているとは言えません。」と指摘します。

ネズミの実験:孤独と依存の関係

松本医師は、依存症を説明する際に、欧米で行われたネズミの実験を例に挙げます。32匹のネズミを2つのグループに分け、一方のグループは個別に狭い檻に入れ、もう一方のグループは広い空間で自由に遊ばせ、交流させました。

最初の4日間は両グループにモルヒネ水を与え、5日目からはモルヒネ水と普通の水を用意しました。すると、モルヒネ水の消費量が多かったのは、狭い檻に入れられたグループのネズミでした。

ネズミの実験のイメージネズミの実験のイメージ

広い空間で仲間と過ごしたネズミは、モルヒネ水の快楽よりも仲間との交流を選んだのです。この実験は、孤独が依存症に繋がりやすいことを示唆しています。

依存症者を孤立させない社会の構築

依存症は、個人の責任ではなく、社会的な問題として捉える必要があります。「孤独」や「トラウマ」を抱える人々が、依存症に陥らないよう、社会全体で支える仕組みが不可欠です。自助グループへの参加支援など、孤立を防ぎ、回復をサポートする環境づくりが急務と言えるでしょう。

著名な精神科医である佐藤先生(仮名)も、「依存症は心の病であり、社会的な支援が不可欠です。周りの理解と適切なケアが、回復への大きな力となります。」と述べています。

依存症は、決して他人事ではありません。この記事を通して、依存症への理解を深め、周りの人々を支えるきっかけになれば幸いです。 jp24h.comでは、今後も様々な社会問題を取り上げ、読者の皆様に役立つ情報を発信していきます。