ハンガリー日本人女性殺害事件:DV被害訴えも大使館は「対応できず」、友人の悲痛な叫び

ブダペストで発生した日本人女性殺害事件。元夫によるDV被害を訴えていたにも関わらず、大使館の対応が不十分だったという友人の証言が明らかになり、波紋を広げています。本記事では、事件の背景、DVの実態、そして大使館への相談内容などについて詳細に迫ります。

DVの恐怖に怯える日々:警察も大使館も頼れず…

1月29日、ブダペストのマンション火災現場で日本人女性A子さん(43歳)の遺体が発見されました。当初は失火と見られていましたが、支援団体「パテント協会」の働きかけにより、元夫D(43歳、アイルランド国籍)によるDV被害の実態が明るみになり、捜査は急展開。2月4日、Dは拘束されました。

altハンガリー日本人女性殺害事件で逮捕されたアイルランド人の元夫Daltハンガリー日本人女性殺害事件で逮捕されたアイルランド人の元夫D

警察へのDV被害の訴えも「お前が悪い」と一蹴され、A子さんは絶望の淵に立たされていました。支援していた弁護士によると、警察に相談したのはわずか2回だったといいます。立憲民主党の鈴木庸介衆議院議員は、A子さんの置かれた状況の深刻さを指摘しています。警察はこの対応を謝罪し、関係者6人を処分、DV対策の強化を表明しました。

しかし、A子さんが助けを求めたのは警察だけではありませんでした。友人のBさんは、A子さんが大使館にも何度も相談していたと証言。「相談してどうだった?」と尋ねると、毎回「ダメだった」と答えていたといいます。

20年に及ぶ関係、そしてDVの始まり

A子さんとDは約20年前、ロサンゼルス留学中に知り合い結婚。日本とドイツで数年ずつ暮らした後、約12~13年前にブダペストに移住しました。Dは米国生まれですが、アイルランド国籍を取得。EU加盟国での居住資格取得が目的だったとA子さんの知人は語っています。

Dは陰謀論者的な側面があり、「世界がおかしくなり、ヨーロッパも住めなくなる。そうなればブラジルだ」とA子さんに言い、2人の子どもはブラジルで出産。ブラジルの出生地主義によりブラジル国籍、そして両親の国籍であるアイルランドと日本の国籍も取得し、三重国籍者となりました。

エスカレートするDV、そして悲劇へ

DVが激化したのは約5年前。Bさんによると、A子さんは「銃を頭に突き付けられたり、首を絞められたりした」とDVの実態を語っていたといいます。大使館にも相談していましたが、具体的な支援には繋がらなかったようです。

alt殺害された日本人女性A子さんの遺影alt殺害された日本人女性A子さんの遺影

A子さんはDVの恐怖から逃れ、子どもたちと共に日本へ帰国することを切望していました。しかし、大使館の支援は得られず、悲劇的な結末を迎えることとなりました。

DV被害者への支援体制の強化を

この事件は、DV被害者への支援体制の不足を改めて浮き彫りにしました。警察だけでなく、大使館の対応にも問題があった可能性が指摘されています。今後、同様の悲劇を繰り返さないためにも、関係機関の連携強化、そしてDV被害者への迅速かつ適切な支援が不可欠です。

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