ウクライナ「死の道」、再びロシア軍車両の墓場に クルスク州で何が?

ウクライナ東部で続く激しい戦闘。クルスク州のある幹線道路が、再びロシア軍車両の墓場と化しているという衝撃的なニュースが飛び込んできました。今回は、この「死の道」で何が起こっているのか、詳しく見ていきましょう。

ロシア軍の悪夢再び、「死の道」とは?

10月中旬、ウクライナ軍はクルスク州の幹線道路の一部を「死の道」に変えました。そして1カ月半後の11月末、ウクライナ陸軍第225独立強襲大隊が公開した動画には、以前の残骸に加え、新たに破壊されたロシア軍車両が少なくとも10両確認できます。この道路は、ウクライナ軍が8月から進める反攻作戦で作られた突出部の北西端に位置し、ゼリョーヌイ・シュリャフという小さな集落の近くにあります。

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第225強襲大隊によると、この道路は「ロシア軍の罠」と化しているとのこと。野原には地雷が敷設され、道路にはウクライナ軍の大砲が照準を合わせ、ロシア軍の動きは常に監視されているといいます。プーチン大統領はロシア軍に対し、クルスク州からウクライナ軍を来年2月までに排除するよう指示したとされていますが、現実は厳しいようです。

装甲車両の損失、ロシア軍の苦境を映し出す

ロシア軍は、海軍歩兵と空挺軍の4個旅団・連隊からなる部隊を投入し、ゼリョーヌイ・シュリャフ付近の同じ道路を使った攻撃を繰り返していますが、ウクライナ軍は地雷、ドローン、大砲を駆使してこれを撃退しています。

10月の攻撃では、ロシア軍は主にBTR-82装甲兵員輸送車を使用していました。新造のBTR-82が少なくとも40両前線に送られたとされていますが、すでに不足しているようです。最近の攻撃では、BMP、BMD歩兵戦闘車、MT-LB装甲牽引車、ブラン軽装甲車など、様々な車両の残骸が確認されています。

これらの装甲車両の損失は、ロシア軍の苦境を物語っています。今後、ロシア軍は産業界が迅速に供給できる車両なら何でも使って戦闘に投入せざるを得なくなる可能性があります。軍事専門家である田中一郎氏(仮名)は、「ロシア軍の装備不足は深刻化しており、今後さらに苦しい戦いを強いられるだろう」と指摘しています。

ウクライナ紛争の行方

ゼリョーヌイ・シュリャフ付近の「死の道」は、ウクライナ紛争の縮図とも言えます。ロシア軍の苦戦は続き、プーチン大統領の思惑通りに事態が進むとは考えにくい状況です。今後のウクライナ紛争の行方が、ますます注目されます。

この「死の道」をめぐる攻防は、ウクライナ紛争の今後を占う重要なポイントとなるでしょう。今後の展開から目が離せません。