経済対策の策定促す 政府の経済財政諮問会議、民間議員が提言





経済財政諮問会議で発言する安倍晋三首相(左手前から3人目)=7日午後、首相官邸(春名中撮影)

 政府は7日、経済財政諮問会議を開いた。民間議員は提言で、外需の弱さが続くなど日本経済を取り巻く環境がこの1年で大きく変化したと分析。その上で、「日本経済を悪化させないための機動的マクロ経済運営が重要」と指摘した。大規模災害対策や景気下支えに向けた政府による経済対策の策定を促した形だ。

 諮問会議に出席した安倍晋三首相は「時機を逸することなく、先を見据えたマクロ経済政策を講じていくことの重要性を強く感じた。本日の議論を踏まえて、いま何をなすべきか判断したい」などと述べた。

 安倍首相は近く、経済対策の策定を指示する見通しで、各省庁は指示を踏まえて具体策を詰める方針。

 提言で民間議員は、米中貿易摩擦などを受けた外需減速、消費者や家計のマインド低下、台風19号などの大規模な自然災害を挙げ、「日本経済を取り巻く環境はこの1年間で大きく変化している」と指摘した。

 その上で「成長が大きく減速しデフレに後戻りする事態を避ける必要がある」として、「災害対応も含めた短期的な需要の下支えに加え、中長期的な視点に立ち、民需主導の持続的経済成長につながるような政策を組み合わせ、機動的なマクロ経済運営を行うべき」と政府に対応を求めた。

 具体的な取り組みでは、10月の諮問会議で民間議員が言及した中小企業の生産性向上支援などに加え、最近の自然災害を受けた被災者の生活再建やインフラ復旧▽日米貿易協定を通じた外需獲得などを挙げた。

 また民間議員は、インフラ整備の在り方も提言。2年度までの3カ年緊急対策は現行の3カ年で確実に完成させるよう求め、「今回の台風被害で明らかになった課題を踏まえ、必要となる防災・減災対策にもしっかり対応すべき」とした。



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