楽天の三木谷浩史会長兼社長は7日の決算説明会で、10月にサービスを開始しながら、電波がつながらないなどのトラブルに見舞われている携帯電話事業について、遅れが指摘されている基地局整備を「邁進(まいしん)していくのみ。整備のスピードも上がってきている」と説明し、強気の姿勢を貫いた。ただ、来春を目指すとしていた本格サービスの開始時期については、「できるだけ早急」と述べるにとどめた。
楽天は約5千人を対象に、通信料金を無料にした「プレサービス」を実施した。だが、電波がつながらず、当初は2割近くの利用者が回線を開通できなかった。4日時点では98・3%の利用者が開通できたとしているが、未開通は残っている。
楽天は東名阪の大都市では自前の基地局を整備し、他の地域ではKDDI(au)の回線につながる仕組みをとる。来年3月末までに、3432局を開設する計画だが、総務省からは整備の遅れを理由に行政指導を3回受けた。
三木谷氏は、年内に3千局の基地局が稼働する見通しを示した上で、年内には開設契約数も4500局に届くとして、来年3月までに基地局整備計画をクリアできる、と胸を張った。
また、令和7(2025)年までに最大6000億円を調達する投資計画については、「地方に関しては(基地局設置などを)よりスムーズに進められる」とし、投資総額は「もう少し抑えられる」とも強調した。