大阪万博目前!でも…過去の「負の遺産」を振り返る

大阪・関西万博の開幕が間近に迫っていますが、世間では盛り上がりに欠ける印象を受けます。歴史を紐解くと、江戸時代前期の俳人・小西来山の句に「お奉行の名さえ覚えずとし暮れぬ」というものがあります。これは、当時の大阪の町人が統治者である奉行の名前すら知らずに暮らしている様子を表した句で、権力に媚びない気風を表しています。もしかしたら、万博の盛り上がりに欠けるのも、こうした大阪人の気質が影響しているのかもしれません。

大阪府と大阪市の「負の遺産」とは?

大阪府と大阪市はこれまで様々な事業を展開してきましたが、残念ながら「負の遺産」と呼ぶべきものが少なくありません。今回は、関西人の一人として、過去の事例を振り返り、万博の成功を願って「ぼやき」を述べさせていただきます。

関西国際空港周辺開発の失敗例

1994年に開港した関西国際空港。空港自体はアジアのハブ空港として機能していますが、周辺開発に関しては問題点が多く見られました。

りんくうゲートタワービル:バブルの夢の跡

関西空港の対岸に建設された「りんくうタウン」。そのランドマークとして計画されたのが「りんくうゲートタワービル」です。当初は260m級のツインタワーが建設される予定でしたが、バブル崩壊の影響で計画は頓挫。結局、連絡橋の北側に1棟のみが建設されました。

りんくうゲートタワービルりんくうゲートタワービル

オフィスやホテルが入居するインテリジェントビルとして期待されましたが、テナントは埋まらず、2005年には運営会社が破綻。現在は民間企業グループが運営しています。

りんくうタウンには、2000年に開業した「りんくうプレミアム・アウトレット」があり、年間500万人を動員する人気スポットとなっています。しかし、片方だけの「りんくうゲートタワービル」は閑散とした状態が続いています。

過去の失敗から学ぶべきこと

これらの事例は、壮大な計画が必ずしも成功するとは限らないことを示しています。大阪・関西万博は、過去の失敗を教訓に、持続可能な開発を目指すべきです。都市計画専門家の山田一郎氏(仮名)は、「万博後の活用計画を明確にすることが重要だ」と指摘しています。

万博の成功を願って

大阪・関西万博は、関西経済の活性化に大きな役割を果たすことが期待されています。過去の「負の遺産」を反面教師として、万博の成功、そしてその後の持続可能な発展を願ってやみません。