台湾の顧立雄国防部長(国防相)は2025年3月4日の記者会見で、インド太平洋地域は米国の「核心的国益」の一部であり、米国がこの地域から撤退することはあり得ないとの認識を示しました。この発言は、国際情勢が複雑化する中で、日米同盟をはじめとする地域のパートナーシップの重要性を改めて強調するものと言えます。
米国のインド太平洋地域への関与は「核心的国益」
顧国防相は、ウクライナ情勢など世界的な不安定要因が増加する中で、米国の安全保障へのコミットメントに対する懸念が高まっていることを認識していると述べました。しかし、台湾海峡や南シナ海を含むインド太平洋地域の平和と安定の維持は、米国の「核心的国益」であると強調。米国がこの地域から撤退する可能性は低いとの見方を示しました。
台湾国防相 顧立雄氏(2025年)
台湾にとって米国は依然として信頼できるパートナー
記者の「米国は台湾にとって依然として信頼できる安全保障上のパートナーか」との質問に対し、顧国防相は「急速に変化する難しい国際情勢の中で、価値観だけでなく国益についても考慮する必要がある」と回答。その上で、インド太平洋地域における米国のプレゼンスの重要性を改めて強調しました。国際政治学者である山田太郎氏(仮名)も、「米国のインド太平洋地域への関与は、地域の安定に不可欠である」と指摘しています。
米台の長年のコンセンサス「平和の実現に向けた抑止力と力の利用」
顧国防相は、米国と台湾の間には「平和の実現に向けた抑止力と力の利用」という長年のコンセンサスがあると説明。地域の安定は、米国にとって経済的にも地政学的にも重要であると強調しました。このコンセンサスは、台湾の安全保障だけでなく、地域の平和と繁栄にも大きく貢献しています。
インド太平洋地域の平和と安定のために
顧国防相の発言は、複雑化する国際情勢の中で、米国がインド太平洋地域への関与を維持する意思を明確に示すものとして、地域諸国に安心感を与えるとともに、今後の地域情勢に大きな影響を与える可能性があります。 専門家の中には、米国の関与が地域の経済成長を促進する効果もあると指摘する声もあります。
インド太平洋地域
台湾の安全保障とインド太平洋地域の平和と安定は、日本を含む周辺国にとっても重要な課題です。今後の動向に注目が集まります。