【テヘラン=佐藤貴生】21日投票のイラン国会(一院制、定数290)選挙は23日開票が終了し、選管当局などの発表によると反米の保守強硬派が全議席の7割以上を獲得し圧勝した。
次期国会は反米一色に染まる公算が大きくなり、保守穏健派で欧米に融和的なロウハニ大統領が厳しい政権運営を迫られるのは必至だ。
地元メディアによると、最大の選挙区のテヘラン市では全30議席を保守強硬派が独占した。同派は最高指導者ハメネイ師を信奉し、国内外に大きな影響力がある革命防衛隊の支持を受けている。
2016年の前回選挙で躍進した改革勢力などは23日午前の時点で50議席程度にとどまっており、影響力の弱体化は避けられない。
一方、投票率は42・57%で1979年のイスラム革命以降の国会選挙で最低の投票率となった。
ハメネイ師は「投票は宗教上の義務」と棄権しないよう呼びかけていたが、保守穏健派や改革派の多数の候補が「護憲評議会」の事前審査で失格となったことに反発して投票に行かなかった市民が多数いたもよう。これまでの最低投票率は2004年の約51%だった。有権者は約5800万人。