胃の健康、気にしていますか?普段は見えない胃の中ですが、実は「顔つき」があることをご存知でしょうか。3000件以上の胃の手術経験を持つ外科医、比企直樹医師は、胃の顔つきから健康状態を読み取り、早期発見・治療に繋げてきました。今回は、比企医師の著書『100年食べられる胃』を参考に、胃がんの前兆や健康な胃を保つ秘訣をご紹介します。
胃がんのサインを見逃すな!「肌荒れ」した胃に潜む危険
比企医師は、長年の経験から胃にも「顔つき」があるといいます。AIを搭載したカメラ技術も進歩していますが、胃がんの気配を感じ取る眼力は、医師の経験に勝るものはないのかもしれません。
ある会食の場で、企業経営者から胃カメラ画像の診断を依頼された比企医師。会社の定期健診で撮影されたものとのことでしたが、一目見て「胃がんができそうな胃」だと感じました。経営者は驚き、どうすれば良いのかと尋ねました。比企医師は、ピロリ菌の除去と半年に一度の検診を勧めました。画像から、胃がん発生のリスクが高い「顔つき」をしていたからです。
3年後、その経営者の胃にがんが見つかりました。幸いにも早期発見だったため、適切な治療を受けることができました。このケースは幸運が重なった結果ですが、比企医師が感じた「胃がんができそうな胃」とは、一体どのようなものだったのでしょうか?
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胃がんの温床「ピロリ菌」感染と「荒れた胃」の関係
比企医師によれば、それは「肌荒れしている胃」です。胃がんの最大の原因はピロリ菌。ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜は炎症を起こし、まるで荒れた畑のようになります。この炎症が慢性胃炎となり、胃粘膜の萎縮や腸上皮化生を引き起こします。腸上皮化生とは、胃粘膜が腸の粘膜と似た状態に変化すること。このような「荒れた胃」は、がんが発生しやすい状態、つまり胃がん発生の前段階と考えられています。
比企医師は、経営者の胃カメラ画像から、まさにこの「荒れた畑」のような、ピロリ菌に感染した顔つきを見抜いたのです。
胃がん予防の鍵はピロリ菌対策!早期発見・早期治療の重要性
日本では毎年多くの人が胃がんで命を落としています。胃がんは、他の多くのがんとは異なり、主な原因がピロリ菌であることが明らかになっています。
著名な消化器外科医、佐藤太郎先生(仮名)も、「ピロリ菌感染の有無を確認し、陽性であれば除菌することが胃がん予防の第一歩です」と強調しています。
早期発見・早期治療が重要な胃がん。定期的な検診とピロリ菌対策で、健康な胃を守りましょう。
健康な胃を保つための生活習慣
胃がん予防には、ピロリ菌対策だけでなく、日々の生活習慣も大切です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜め込まない生活を送りましょう。
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また、禁煙も効果的です。タバコに含まれる有害物質は、胃粘膜を傷つけ、がんのリスクを高めます。
そして、何よりも大切なのは、自分の体の声に耳を傾けること。少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。