妊娠は喜びに満ちた時間ですが、同時に不安も伴うものです。特に、出生前診断を受けるかどうかは、多くの妊婦さんが悩む大きな決断の一つでしょう。今回は、タレントの川崎希さんが第3子妊娠中に体験したNIPT検査と羊水検査について、その結果と向き合った率直な思いを綴ります。この記事を通して、出生前診断の現状や、検査結果とどう向き合うべきかについて、一緒に考えてみませんか?
NIPT検査で陽性判定… そして羊水検査へ
川崎希さんは、第3子妊娠中にNIPT検査(新型出生前診断)を受けました。NIPT検査は、母体血を用いて胎児の染色体異常の可能性を調べる検査です。費用は約15万~20万円と高額ですが、お腹に針を刺すことなく検査できるため、近年注目を集めています。
川崎さんの最初のNIPT検査の結果は「判定保留」。確定的な診断を得るために、医師からは羊水検査を勧められました。羊水検査は、お腹に針を刺して羊水を採取する検査で、流産のリスクも伴います。川崎さんは悩んだ末、再度NIPT検査を受けることを選択しました。
しかし、2度目のNIPT検査の結果は「陽性」。21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミーの可能性を示唆するものでした。この結果に、川崎さんは大きな不安を抱え、簡易的な羊水検査(迅速検査/FISH法)を受けることを決意します。
川崎希さん maternity photo
陰性結果と安堵、そしてこれからの向き合い方
数日後、簡易羊水検査の結果は「陰性」でした。川崎さんは、この結果に安堵の涙を流しました。NIPT検査で陽性と判定されたにも関わらず、羊水検査で陰性だった理由について、医師は「胎盤にモザイク型染色体異常があった可能性」を指摘しました。つまり、胎児自身は染色体異常を持っていないものの、胎盤の一部に異常があったため、母体血に混入した胎盤由来のDNAがNIPT検査で陽性反応を示したと考えられるのです。
この経験を通して、川崎さんは出生前診断の複雑さを改めて実感したと言います。NIPT検査はあくまでもスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。陽性判定が出た場合でも、羊水検査などの確定診断を受けることが重要です。
出産への希望と未来への展望
川崎さんは、今回の経験を乗り越え、改めて出産への希望を強く抱いています。不妊治療を経ての妊娠、そして出生前診断という大きな壁を乗り越えた川崎さんの言葉は、多くの妊婦さんにとって勇気となるでしょう。
お腹の大きな妊婦さん
著名な産婦人科医である佐藤先生(仮名)は、「出生前診断は、あくまでも妊婦さんとその家族が、より良い選択をするための情報提供の一つです。検査結果だけで判断するのではなく、医師とじっくり相談し、自分たちの状況に合った選択をすることが大切です。」と述べています。
川崎さんの体験は、出生前診断を取り巻く様々な課題を浮き彫りにしました。検査の精度、費用の負担、そして結果との向き合い方など、まだまだ議論が必要な点は多く残されています。しかし、川崎さんのように、自身の経験を共有することで、より多くの人が正しい知識を得て、より良い選択をすることができるようになるのではないでしょうか。
この記事が、これから出産を迎える方々、そして出生前診断について考えている方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。