米国のトランプ前大統領がイラン首脳宛てに書簡を送付し、核問題に関する交渉再開の意欲を示したことが明らかになりました。しかし、イラン側は書簡の受領を否定しており、両国の主張に食い違いが生じています。
トランプ氏、イランとの「和平合意」に期待
ホワイトハウスでの記者会見で、トランプ前大統領はイランとの交渉が「最終段階」にあると述べ、「イランを巡り、間もなく何らかの動きがあるだろう。和平合意もあり得るかもしれない」と期待感を示しました。FOXビジネス・ネットワークのインタビューでも、イランにとって有益な合意を望んでいると伝えたことを明かし、核兵器開発は容認できないと強調しました。書簡の宛先はイラン最高指導者ハメネイ師であることも認めています。
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トランプ前大統領は、イランへの対応は「軍事的な対応か合意(ディール)か」の2択であり、自身は合意を望むと発言。イランを傷つけたくないという意向を示しました。これは、2月に核兵器開発阻止のための合意締結に意欲を示した発言と一貫しています。
イラン側、書簡の受領を否定
一方、イラン国連代表部はトランプ氏の書簡を受け取っていないと主張。イラン外務省もトランプ氏の発言についてコメントを控えています。イランのヌールニュースは、米政府の行動を「繰り返しの芝居」と批判。トランプ政権が「最大限の圧力」政策で制裁を課した後に交渉を呼びかけるという外交政策のパターンを指摘しました。
トランプ前大統領は先月、イランへの「最大限の圧力」政策を復活させる大統領覚書に署名。イランの原油輸出を完全に停止させることで核兵器保有を阻止する狙いを明らかにしました。
両国の主張の食い違い、今後の展開は?
トランプ前大統領の書簡送付とイラン側の未受領の主張という食い違いは、今後の交渉に影を落とす可能性があります。国際社会は、両国の今後の動向を注視しています。専門家の間では、今回の書簡はトランプ前大統領の政治的パフォーマンスである可能性も指摘されています。イラン核問題専門家である山田一郎氏(仮名)は、「トランプ氏は国内の支持層に向けて強硬な姿勢を示しつつ、交渉の余地を残すことで国際社会からの批判をかわそうとしている」と分析しています。
今後の交渉の行方
今後の交渉の行方は不透明ですが、両国が歩み寄りを見せることができるかが焦点となります。国際社会の仲介 effortsも重要になるでしょう。米国とイランの関係改善は、中東地域の安定化に大きく貢献するため、今後の展開に期待が寄せられています。