ドイツに再び慰安婦像設置:国際女性デーを機にケルンとカッセルに

国際女性デーである3月8日、ドイツのケルンとカッセルに新たな慰安婦像が設置されました。この動きは、ベルリンに拠点を置く韓国系市民団体「コリア協議会」などの働きかけによるもので、過去の出来事を風化させない取り組みの一環として行われました。

ケルンとカッセルに新たな慰安婦像が登場

ケルン市の慰安婦像は、ナチス政権下の迫害を記録する「ナチス記録センター」前に設置されました。カッセルの像は、カッセル大学近くの教会前に設置されています。どちらも、国際女性デーに合わせて設置されたもので、ケルンの像は6月1日まで展示される予定です。

alt ドイツ・ケルンのナチス記録センター前に設置された慰安婦像alt ドイツ・ケルンのナチス記録センター前に設置された慰安婦像

これらの像には、ドイツ語と英語で「世界中でこのような残虐行為が繰り返されるのを防ごうとする生存者の勇気をたたえるものである」といった説明が添えられています。像の設置は、過去の戦争の記憶を継承し、人権問題への意識を高めることを目的としているとされています。

日本政府は強く懸念を表明

在ドイツ日本大使館は、今回の慰安婦像設置について「報道は承知している」としながらも、「我が国の立場やこれまでの取組と相いれないものであり、強く懸念している」とコメントを発表しました。日本政府は、慰安婦問題に関するこれまでの合意や取り組みを踏まえ、このような動きに反対の立場を表明しています。

過去のベルリンの慰安婦像設置問題

2020年にも、コリア協議会がベルリン市内に慰安婦像を設置したことがありました。この際も日本政府は撤去を求め、日韓間で外交的な摩擦が生じました。今回のケルンとカッセルでの設置も、同様の反応を引き起こす可能性があります。

慰安婦問題をめぐる今後の動向

慰安婦問題をめぐる日韓間の対立は、長年にわたって続いています。今回の慰安婦像設置は、この問題の複雑さと、解決の難しさを改めて浮き彫りにしました。今後の日韓関係、そして国際社会における慰安婦問題への認識がどのように変化していくのか、注目が集まっています。

専門家の見解

国際関係の専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「慰安婦像設置は、歴史認識の違いを象徴する出来事である」と指摘します。「日韓両国が、歴史問題を乗り越えて未来志向の関係を築くためには、冷静な対話と相互理解が不可欠だ」と述べています。

慰安婦問題に関する議論は、今後も続いていくと考えられます。様々な視点から情報を収集し、多角的な理解を深めることが重要です。