ロンドンで、中国人留学生がデートレイプドラッグを使用して10人以上の女性に性的暴行を加えた疑いで有罪判決を受けました。この事件は英国社会に衝撃を与え、性犯罪の深刻さを改めて浮き彫りにしています。本記事では、事件の詳細と今後の捜査の行方について詳しく解説します。
デートアプリで出会った女性を標的に
ゾウ・ジェンハオ被告(28)は、2019年から2023年にかけて、デートアプリやSNSを通じて知り合った女性たちを標的にしていました。彼は女性たちと酒を飲んだり、勉強を口実に自宅に誘い込み、薬物を混入した飲み物を飲ませて意識を失わせた後、性的暴行を加えていたとされています。
隠しカメラと大量の薬物が押収
警察はゾウ被告の寝室から隠しカメラと、デートレイプドラッグとして知られるGHB(γ-ヒドロキシ酪酸)やエクスタシーなどの薬物を押収しました。GHBは、日本では「液体エクスタシー」などと呼ばれ、無味無臭で水などに溶けやすいことから、性犯罪に悪用されるケースが後を絶ちません。
デートレイプドラッグとして悪用されるGHBの錠剤
1277件の映像、被害者は50人以上か
さらに、警察はゾウ被告の電子機器から1277件の映像を発見しました。これらの映像には、ゾウ被告が意識を失った女性に性的暴行を加える様子が記録されており、警察は被害者が50人以上に上る可能性があるとみています。
裕福な家庭出身、高級ブランド品に囲まれた生活
ゾウ被告は中国の裕福な家庭の出身で、2017年に北アイルランドのベルファストに移住し、クィーンズ大学ベルファストで機械工学を学びました。その後、2019年にユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)に進学し、修士・博士号を取得。高級マンションに住み、クローゼットには高級ブランド品の時計や服が溢れていたといいます。
巧妙な手口、被害者自身も気づかない可能性
警察は、「ゾウ被告の犯罪の手口は非常に巧妙で、被害者自身も性的暴行を受けたことに気づいていない可能性がある」と指摘しています。 著名な犯罪心理学者、田中教授(仮名)も「薬物を使用した性犯罪は、被害者が記憶を失うことが多く、立証が難しいケースが多い。そのため、潜在的な被害者がさらに多く存在する可能性も否定できない」と警鐘を鳴らしています。
英国史上最悪の性犯罪者となる可能性
この事件は、英国社会に大きな衝撃を与えており、警察は「ゾウ被告は英国史上最悪の性犯罪者となる可能性がある」と述べています。今後の捜査の進展が注目されます。
まとめ:デートレイプドラッグの危険性と対策
今回の事件は、デートレイプドラッグの危険性を改めて私たちに突きつけました。飲み物から目を離さない、知らない人からの飲み物は受け取らないなど、自衛策を徹底することが重要です。また、少しでも怪しいと感じたら、すぐにその場を離れる勇気も必要です。この事件を教訓に、デートレイプドラッグによる性犯罪の撲滅に向けて、社会全体で取り組んでいく必要があります。