卵の価格高騰が止まらない。スーパーの棚から卵が消え、家計への負担も大きくなっている。鳥インフルエンザの影響に加え、世界的な供給不足も重なり、この「エッグフレーション」はいつまで続くのだろうか。本記事では、卵不足の現状と、人々の生活への影響、そして注目される自宅養鶏について詳しく解説する。
卵不足の現状:空っぽの棚と値上がりの波
かつて「物価の優等生」と呼ばれた卵が、今や高嶺の花になりつつある。スーパーの卵売り場は品薄状態が続き、棚は空っぽという光景も珍しくない。
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鳥インフルエンザの流行が長期化していることが主な原因だが、世界的な穀物価格の高騰も影響している。飼料価格の上昇は養鶏農家の経営を圧迫し、卵の生産量減少に拍車をかけているのだ。
都内のあるスーパーでは、特売日でも卵の価格は以前の倍以上に。それでもすぐに売り切れてしまう状況だ。
自宅で鶏を飼う人が増加中!その背景とは?
卵の価格高騰を受け、自宅でニワトリを飼育する人が増えている。長野県在住の山田歩さん(35歳)もその一人。
「年々卵の値段が上がっていくのを見て、自分で育ててみようと思ったんです。食費の節約になるだけでなく、新鮮で安全な卵を食べられるのも魅力です。」と山田さんは語る。
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神奈川県の養鶏販売会社によると、都心部でも飼育用のニワトリの購入者が増加傾向にあるという。卵の安定供給と食費節約を両立できる自宅養鶏は、今後ますます注目を集めそうだ。
専門家(農林水産省家畜衛生対策室 山田太郎氏)の見解では、「自宅養鶏は食育の観点からも有益ですが、衛生管理や近隣への配慮も重要です。適切な知識と準備が必要です。」とのこと。
世界的な卵不足:「エッグフレーション」の脅威
日本だけでなく、世界中で卵不足が深刻化している。アメリカでは「エッグフレーション」という言葉が生まれるほど、卵の価格高騰が社会問題となっている。
20年以上ロサンゼルスに住むジャーナリストの千歳香奈子さんによると、カリフォルニア州では卵1パック(12個)の平均価格が1300円を超えているという。
飲食店では「エッグサーチャージ」と呼ばれる卵追加料金を導入する店も出てきている。卵料理の値上げは、消費者の食生活にも大きな影響を与えている。
アメリカはトルコなどから大量の卵を輸入することで供給不足を補おうとしているが、世界的な需要の高まりから、今後も卵価格は高止まりする可能性が高い。
卵不足への対策と今後の展望
卵不足の解決には、鳥インフルエンザ対策の強化、飼料価格の安定化、そして国内生産量の増加が不可欠だ。消費者としても、無駄な消費を控える、代替食材を活用するなど、工夫が必要となるだろう。
自宅養鶏は一つの解決策となるかもしれないが、普及にはまだ課題も多い。行政による支援や情報提供が求められる。
卵は私たちの食生活に欠かせない食材だ。一日も早く安定供給が実現することを願うばかりである。
まとめ:卵不足から見えてくる食の未来
卵不足は、私たちの食の未来について改めて考えさせる出来事だ。食料自給率の向上、持続可能な食料生産システムの構築など、取り組むべき課題は多い。
この機会に、食の安全保障について一人ひとりが真剣に考えてみてはどうだろうか。