NHK「サラメシ」と「バリバラ」、惜しまれつつ最終回…14年と15年の歴史に幕

NHKの人気番組「サラメシ」と「バリバラ」が、2025年3月13日に最終回を迎えました。それぞれ14年、15年という長い歴史に幕を閉じ、SNS上では多くの視聴者から惜しむ声が上がっています。

働く大人のランチ「サラメシ」、14年の歴史に幕

2011年にスタートした「サラメシ」は、会社員をはじめ、様々な職業の人々のランチを紹介する番組として人気を博しました。俳優・中井貴一さんの温かく、時にユーモラスなナレーションも魅力の一つでした。最終回では、首里城再建に携わる職人や、小豆島の醤油蔵で働く人々、ドクターイエローの検測員など、様々な職種の「サラメシ」が紹介されました。番組終了の発表後には、多くの視聴者から「サラメシ」の思い出や感謝のメッセージが寄せられ、中井さんも「日本で一番皆さんのお弁当、いやいやランチを通した人生の一コマを見せてもらった」と感謝の言葉を述べました。後番組は、バナナマン日村勇紀さんMCの「ひむバス!」となります。

首里城の再建に携わる漆職人のサラメシ首里城の再建に携わる漆職人のサラメシ

マイノリティの声を届けた「バリバラ」、15年の歴史に終止符

2010年から放送を開始した「バリバラ」は、障害者や性的マイノリティ、被差別部落出身者など、様々なマイノリティの人々の生き方に焦点を当てたバラエティ番組です。時にはタブーにも切り込む挑戦的な企画で、大きな話題を呼びました。最終回では、かつてレギュラー出演していたトランスジェンダーの方が、ノンバイナリーのパートナーとの結婚を発表し、大きな感動を呼びました。4月からは新たな福祉番組「toi-toi」がスタートしますが、「バリバラ」終了には多くの反対の声も上がっています。劇作家・演出家の鴻上尚史氏も、自身のSNSで「日本のテレビの希望の一つが消えてしまう」と番組終了を惜しみました。

惜しむ声、そして番組編成への疑問も

「サラメシ」と「バリバラ」という、それぞれ異なる個性を持ちながら、NHKらしい良質な番組が同時に終了することに対し、SNS上では「NHKにしかできない番組がなくなってしまうのは寂しい」「なぜこの2番組が終わってしまうのか」といった惜しむ声が多数寄せられました。また、2番組の最終回が一部時間帯で重なったことについても、疑問の声が上がっています。

新たな番組への期待と、失われたものの大きさ

「ひむバス!」や「toi-toi」といった後番組への期待がある一方で、「サラメシ」や「バリバラ」が担ってきた役割、そして番組が築き上げてきた視聴者との繋がりは、簡単に代替できるものではありません。これらの番組が提示した多様性への理解や共感、そして社会課題への関心を、今後どのように継承していくのか、NHKの今後の取り組みが注目されます。