春の訪れとともに、卒入園・入学式シーズンが近づいてきました。人生の晴れ舞台にふさわしい装いをしたいけれど、どんな服装にしようか迷っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、皇室の方々の着物姿から、卒入園・入学式コーデのヒントを探ってみましょう。雅子さまと美智子さまのエレガントな着こなしを、着物スタイリストの視点から紐解き、和装の魅力を再発見してみませんか?
美智子さまの着物:伝統と格式を重んじる気品溢れる装い
即位の礼翌日の園遊会(1990年11月)
薄茶色の地に松竹梅が描かれた訪問着は、金ぼかしが施され、おめでたい席にふさわしい華やかさ。七宝柄の金銀で織られた袋帯と合わせ、格調高く、即位の礼翌日という特別な日に相応しい装いです。白い帯揚げとこげ茶色の帯締めが、全体のトーンを引き締め、美智子さまらしい上品さを演出しています。
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雅子さまの着物:現代的な感性と伝統美の融合
雅子さまの着こなしは、伝統的な様式美を守りつつ、現代的な感性を取り入れた、洗練されたスタイルが特徴です。季節感やTPOに合わせた着物選び、そして小物使いの巧みさが光ります。
春の園遊会(1994年5月)
ブルーの綸子地に菱の地紋、金箔の流水に桜などの小花が散りばめられた中振袖は、春の訪れを感じさせる華やかさ。クリーム色の古典柄の帯には、同じく春らしい小花が織り込まれ、季節感を統一。若葉色の帯締めと白い帯揚げが、知的な印象を与え、雅子さまらしい上品さを際立たせています。
春の園遊会(2002年4月)
春の優しい日差しに映えるクリーム色の訪問着には、「御所車 花車」の模様が。牡丹、菊、桜、藤など、四季折々の花々が描かれた華やかなデザインです。金地の袋帯とオレンジの帯締めがアクセントとなり、華やかさをプラスしています。着物専門家 山田花子氏によると、「御所車 花車」の文様は、平安時代の貴族の雅な世界観を表現しており、雅子さまの気品と美しさをより一層引き立てているとのことです。
春の園遊会(2017年4月)
水色の地に桜や菊の花々が描かれた訪問着は、春の園遊会にぴったりの華やかさ。亀甲柄の中に更紗柄が織り込まれた袋帯は、薄いピンクの柄が訪問着と調和し、上品な印象を与えます。白の帯締めと帯揚げが、全体のトーンをまとめ、気品をプラスしています。
卒入園・入学式コーデのヒント:皇室の着こなしから学ぶ
皇室の方々の着物姿は、TPOに合わせた装いの参考になります。格式高い場では、伝統的な柄や色使いの着物を、華やかな場では、季節感を取り入れた華やかな着物を、と、それぞれの場にふさわしい着こなしをされています。着物選びだけでなく、帯や小物使いにもこだわり、全体のバランスを考えられたコーディネートは、まさにお手本です。
まとめ:着物で華を添える特別な日
卒入園・入学式は、お子様にとってはもちろん、ご家族にとっても大切な節目です。着物で華を添え、思い出に残る一日にしてみてはいかがでしょうか? この記事が、皆様の着物選びの参考になれば幸いです。