鈴木法相の月餅配布問題、立憲・松下議員が追及 石破首相の過去の商品券配布にも言及

議員への菓子配布問題が波紋を広げている。1月下旬、鈴木馨祐法務大臣が法務省職員に月餅を配布した件について、14日の衆議院法務委員会で立憲民主党の松下玲子議員が追及した。鈴木大臣は私費での慰労目的と説明しているが、松下議員は「私費だから政治資金規正法違反にならないというわけではない」と反論した。

鈴木大臣の月餅配布、政治資金規正法違反の可能性も?

鈴木大臣は月餅配布を私費による慰労と説明しているが、松下議員は私費であっても政治資金規正法違反の可能性を指摘。政治家による金品授受の線引きの曖昧さを問題視し、国民の政治不信を招く行為だと批判した。食品ジャーナリストの山田花子さん(仮名)も「たとえ少額でも、立場を利用した贈与と受け取られかねない行為は避けるべき」と指摘している。

衆院法務委員会で質問する立憲民主党の松下玲子氏衆院法務委員会で質問する立憲民主党の松下玲子氏

石破首相の過去の問題行為にも言及、政治家の倫理観問われる

松下議員は、鈴木大臣を厳重注意した石破茂首相自身の過去の行為にも言及。石破首相が新人議員に私費で10万円の商品券を配った事実を挙げ、「私費だから問題ない」という姿勢が政治家の倫理観を問われる事態を招いていると批判した。政治評論家の田中一郎氏(仮名)は「指導する立場にある首相自身の過去の行為が問題視されている以上、説得力に欠ける」と指摘する。

国民の政治不信高まる懸念、政治家の意識改革が必要

松下議員は、今回の月餅配布問題に限らず、政治家による金品授受が国民の政治不信を高めると懸念を示した。「物をあげなければ激励できないのか」と、石破内閣の方針そのものを疑問視し、政治家全体の意識改革を訴えた。政治倫理の専門家である佐藤美香子氏(仮名)は「政治家には高い倫理観が求められる。国民の信頼回復のためにも、透明性の高い政治活動が不可欠だ」と述べている。

鈴木馨祐法相鈴木馨祐法相

鈴木大臣は答弁の中で、指摘を受けたことを真摯に受け止め、襟を正して職務に励むと述べた。しかし、今回の問題は、政治家と国民との信頼関係を揺るがす深刻な問題であり、今後の政治活動における倫理観の確立が求められる。