19歳の女子大生が山中で遺体で発見された事件。四肢切断、両胸抉り取り、内臓も無いという凄惨な状況は、日本中を震撼させました。7年間もの間、迷宮入りかと思われたこの事件が、どのようにして真相解明に至ったのか、その軌跡を辿ります。
発見当時の衝撃:山中で見つかった無残な遺体
2009年11月6日、広島県北広島町の臥龍山でキノコ狩りをしていた男性が、女性の頭部を発見しました。DNA鑑定の結果、10月26日から行方不明になっていた島根県浜田市の19歳女子大生Mさんと判明。胴体は四肢が切断され、一部が焼かれており、両胸は抉り取られ、鋭利な刃物による傷が無数につけられ、内臓もなくなっていたといいます。捜査関係者によると、性別すら判別困難なほどの損壊状態だったそうです。
遺体発見現場の山中
初期捜査の難航と迷宮入りの危機
事件発生当初、警察は早期解決を楽観視していましたが、捜査は難航。決定的な証拠はなかなか見つかりませんでした。警察庁は捜査特別報奨金制度を適用し、最大300万円の報奨金を提示するも、7年間、事件は未解決のまま。「広島女子大生遺体損壊事件」として暗い影を落とし続けました。
例えば、犯罪心理学者の山田教授(仮名)は当時の状況について、「犯人が証拠隠滅に執着していた可能性が高い。計画性が高く、冷静な犯行であったと推測される」と分析しています。(※架空の人物によるコメント)
7年後の急展開:容疑者浮上とその後の衝撃の結末
事態が動いたのは2016年12月。性犯罪の前歴を持つ33歳の会社員が捜査線上に浮上。事件前後の足取りも確認され、11月5日には知人に「大変なことをしてしまった」「交際女性の関係で暴力団に追われている」と漏らしていたという証言も得られました。
警察は被疑者の実家と勤務先を家宅捜索。押収したUSBメモリとデジタルカメラからは、被害者の遺体、解体に使われたとみられる文化包丁、益田市の自宅風呂場や自室などを写した写真が57枚も復元されました。
しかし、逮捕には至りませんでした。驚くべきことに、被疑者は既に母親と共に交通事故で死亡していたのです。
Mさんの遺影に献花する当時の警察庁長官
残された謎と事件の教訓
7年の歳月を経て真相が明らかになったものの、犯行動機など、解明されていない謎も残されています。この事件は、証拠保全の重要性、そして未解決事件に対する継続的な捜査の必要性を改めて示すものとなりました。
事件を風化させないために
凄惨な事件から10年以上が経過しましたが、Mさんの無念を忘れず、事件の記憶を風化させないことが大切です。 犯罪被害者支援の重要性についても、改めて考えていく必要があるでしょう。