岐阜県の大規模食中毒：バイパス給食センターで何が起きたのか？

岐阜県で発生した仕出し弁当による大規模食中毒事件。当初71人と発表された患者数は、瞬く間に400人を超え、死者まで出る事態へと発展しました。バイパス給食センターで一体何が起きたのか、その詳細と背景、そして食の安全について改めて考えてみましょう。

食中毒発生：発端から拡大まで

2023年2月27日、岐阜県笠松町の医療機関から保健所へ、嘔吐や下痢を訴える患者が複数発生したとの通報がありました。彼らは皆、同じ仕出し弁当を食べており、その弁当は岐阜県岐南町の「バイパス給食センター」が製造したものと判明。ノロウイルスが検出され、食中毒と断定されました。

バイパス給食センターの外観

当初、患者数は71人とされていましたが、その後、食中毒の症状を訴える人が急増。岐阜県は3月5日に集団食中毒の拡大を発表し、患者数は261人に増加。さらに、バイパス給食センターの弁当が羽島市役所売店など複数の場所で販売されていたことも判明し、事態は深刻化しました。

バイパス給食センターは、1日4000食以上を提供できる県内有数の大規模調理施設を持つ仕出し業者。岐阜市を含む12市町をカバーし、2012年の岐阜国体では来賓用弁当も担当するなど、地域に深く根ざした存在でした。しかし、今回の事件でその信頼は大きく揺らぎました。

患者数増加の一方で、悲しい出来事も発生しました。バイパス給食センターの弁当を食べた40代男性が3月1日に死亡。食中毒との因果関係は不明とされていますが、この事件の深刻さを改めて突きつけました。

3月13日時点で患者数は456人に達し、8人が一時入院。岐阜県警によると、県内4つの警察署で留置されていた16人も食中毒の症状を訴えていたとのことです。

今回の事件は、食の安全に対する意識を改めて問うものです。食品衛生管理の徹底はもちろん、消費者の立場としても、食中毒予防に関する知識を深め、適切な行動をとることが重要です。

例えば、食品安全委員会の委員長（仮称：佐藤一郎氏）は、「食中毒予防の三原則『つけない・増やさない・やっつける』を常に意識し、特にノロウイルスは少量でも感染するため、手洗いを徹底することが重要」と述べています。

バイパス給食センターの食中毒事件は、食の安全の重要性を改めて認識させる出来事となりました。この事件を教訓に、食品関連事業者、消費者、行政が一体となって、食中毒予防に取り組む必要があります。