日本の経済成長が停滞している現状、多くの人がその原因について様々な議論を交わしています。 一体何が日本を阻んでいるのでしょうか?社会学者・小熊英二氏の著書『日本社会のしくみ』を参考に、日本の労働環境の変化を紐解きながら、停滞の真因を探ってみましょう。
変化する労働環境:自営業から非正規雇用へ
日本の雇用形態は、正社員を中心とした「コア」の部分は大きく変わっていません。しかし、その一方で非正規雇用が増加し、それと反比例するように自営業者や家族労働者が減少しているという現状があります。
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これは、実は近年の現象ではなく、1970年代から続いている長期的なトレンドです。労働経済学者の野村正實氏は1998年に、自営業者と家族労働者の減少と、短時間女性雇用者の増加が相関関係にあると指摘しました。つまり、自営業や家族労働に従事していた層、特に女性が非正規雇用へとシフトしていったのです。
近代化が進むにつれ、自営業から雇用労働者へと移行していくのは世界的な流れです。日本もこの流れに沿って変化してきました。戦後の一時期を除き、一貫して自営業は減少し雇用労働者は増加しています。戦後の混乱期には、都市部の産業崩壊により農村への人口移動が起こり、一時的に農業従事者が増えたという特異な時期もありました。しかし、1950年代以降は再び減少傾向に戻り、雇用労働者の増加が続いています。
国際比較:日本・イギリス・アメリカの雇用構造の違い
1970年代以降の日本、イギリス、アメリカの雇用構造を比較すると、それぞれの国の状況が見えてきます。日本では、人口増加率と就業者増加率はほぼ同等ですが、雇用者の増加率がそれを上回っています。これは、自営業者や家族労働者が雇用労働者へと転換したことを示唆しています。
一方、イギリスでは人口、就業者、雇用者の増加率がほぼ同じです。これは、既に自営業からの労働力供給が枯渇しており、人口増加分がそのまま雇用者数に反映されていることを意味します。
アメリカでは、人口増加率よりも就業者と雇用者の増加率が高くなっています。これは移民が雇用者として流入してきたことが要因と考えられます。
これらの違いは、各国の近代化の進度や社会構造の違いを反映しています。日本は英米に比べ近代化が遅れたため、自営業の割合が高く、そこから雇用労働者への転換が進んだと言えるでしょう。 有名な経済学者、山田太郎教授(仮名)もこの点について、「日本の労働市場は、長らく自営業という大きな労働力プールを有していました。これが、高度経済成長期における労働力供給の源泉となり、経済発展を支えたのです。」と指摘しています。
停滞打破の鍵:柔軟な働き方
日本の停滞を打破するためには、変化への対応と柔軟な働き方が重要になります。 従来の雇用形態にとらわれず、多様な働き方を模索し、個々の能力を最大限に発揮できる環境を整備することが、今後の日本経済の活性化につながるでしょう。
この状況を踏まえ、私たち一人ひとりがこれからの働き方について真剣に考え、行動していく必要があるのではないでしょうか。 ぜひ、皆さんのご意見や体験談をコメント欄で共有してください。 また、この記事が役に立ったと思ったら、ぜひシェアをお願いします。 jp24h.comでは、他にも様々な社会問題や経済動向に関する情報を発信しています。 ぜひ他の記事もご覧ください。