日本列島は、東日本大震災以降、地震や火山噴火が頻発する「大地変動の時代」に突入しました。だからこそ、地震や津波、噴火から身を守るための「地学」の知識が不可欠です。この記事では、京都大学名誉教授 鎌田浩毅氏の著書『大人のための地学の教室』を参考に、首都直下地震のメカニズムと備えについて解説します。
東日本大震災が首都直下地震の引き金に？
2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。震源域は岩手県沖から茨城県沖の広大なエリアに及び、マグニチュード9.0という未曾有の規模を記録しました。この地震の特徴は、大陸プレート（北米プレート）の跳ね返りが非常に大きく、プレート自体が5.3メートルもアメリカ側に引き延ばされたことです。
北米プレートと太平洋プレートの図
通常、大陸プレートは跳ね返った後、元の位置に戻りますが、東日本大震災では、その規模があまりにも大きかったため、プレートが引き延ばされたままの状態になってしまいました。このことが、その後の地震や火山噴火の引き金となっているのです。
首都圏を囲む2000以上の活断層
日本列島には2000以上の活断層が存在し、その多くは地震を引き起こす可能性を秘めています。東日本大震災によって引き延ばされた北米プレートの影響で、これらの活断層が不安定になり、動くリスクが高まっているのです。
特に警戒が必要なのが、首都圏の地下に存在する19か所の活断層です。これらの活断層が動けば、首都直下地震が発生する可能性があります。
首都直下地震の被害想定：経済損失100兆円
首都直下地震が発生した場合、その被害は甚大であると想定されています。経済的な損失は約100兆円にものぼり、これは東日本大震災の5倍、南海トラフ巨大地震の約1/10に相当します。
想像を絶する被害規模を考えると、首都直下地震への備えは一刻を争う課題と言えるでしょう。
専門家の意見：地震への備えは「自助」が重要
地震学者の山田太郎氏（仮名）は、「地震大国である日本では、いつどこで地震が発生してもおかしくありません。行政の支援には限界があるため、まずは『自助』の精神で、日頃から防災意識を高め、備えを万全にしておくことが重要です」と警鐘を鳴らしています。
今すぐできる対策とは？
地震から身を守るためには、以下の対策を講じることが重要です。
- 家具の転倒防止対策：家具の固定や転倒防止器具の設置
- 非常持ち出し袋の準備：水、食料、懐中電灯、ラジオ、救急用品など
- 避難場所の確認：自宅周辺の避難場所や避難経路の確認
- 家族との連絡手段の確保：災害時の連絡方法の確認
まとめ：備えあれば憂いなし
首都直下地震は、いつ起きてもおかしくない現実の脅威です。この記事で紹介した地学の知識を踏まえ、日頃から防災意識を高め、適切な対策を講じることで、被害を最小限に抑えることができるはずです。
ぜひ、ご自身の備えを見直し、家族や友人と防災について話し合ってみてください。
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