日本の食卓を彩るサバ。焼き魚、しめ鯖、味噌煮…様々な料理で親しまれていますが、実は今、国産サバが危機的状況にあることをご存知でしょうか。この記事では、国産サバの現状と未来、そして私たちにできることを探ります。
国産サバ、深刻な不漁に直面
近年、国産サバの漁獲量が激減しています。2023年には26万トンと21年ぶりに30万トンを割り込み、2024年はさらに減少したと見られています。かつては100万トンを超える漁獲量を誇った太平洋側のサバ漁ですが、今やその面影はありません。水産庁もこの状況を「歴史的に非常に厳しい」と表現し、漁獲枠の大幅な削減を検討しています。
太平洋で漁獲されたサバ
漁獲量の減少だけでなく、獲れるサバのサイズも小型化し、脂の乗りも悪くなっています。「魚料理専門家 山田一郎氏」によると、「小ぶりのサバは味が淡白になりやすく、大型のサバのような濃厚な旨みが不足しがちです。」とのこと。このままでは、私たちが慣れ親しんだおいしい国産サバが食卓から消えてしまうかもしれません。
不漁の原因は?そして、サンマとの違いは?
サバ不漁の原因は未だはっきりとは解明されていません。水産研究・教育機構は、伊豆諸島沖の産卵量の減少や餌不足などが成長・成熟の鈍化につながっている可能性を指摘しています。
サンマも近年深刻な不漁に見舞われていますが、サバとサンマでは状況が大きく異なります。サンマは価格が高騰し、庶民の魚から高級魚へと変貌を遂げました。一方、サバは今のところ価格高騰は見られません。これは、ノルウェー産のサバが国内市場に多く流通しているためです。
ノルウェー産サバの台頭と国産サバの現状
日本のスーパーなどで見かけるサバの多くはノルウェー産です。大きくて脂が乗っているノルウェー産は、国産サバの代替品として広く消費されています。実際、国産サバの多くは生鮮食用ではなく、養殖魚や漁業用の餌として利用されています。
「水産資源管理コンサルタント 佐藤花子氏」は、「ノルウェー産のサバは確かに魅力的ですが、地元で獲れた新鮮な国産サバの美味しさを忘れてはいけません。国産サバの消費を促進することで、日本の漁業を支えることにも繋がります。」と訴えています。
国産サバを守るために私たちができること
国産サバの未来を守るために、私たちにもできることがあります。
- 国産サバを選ぶ: スーパーなどで国産サバを見かけたら、積極的に購入してみましょう。
- 様々なサバ料理に挑戦: 焼き魚だけでなく、しめ鯖や味噌煮など、色々な料理で国産サバの美味しさを再発見してみましょう。
- 持続可能な漁業を応援: MSC認証など、環境に配慮した漁業で獲れたサバを選ぶことも大切です。
様々なサバ料理
まとめ:未来へ繋ぐ、国産サバの味わい
国産サバは今、大きな危機に直面しています。しかし、私たち一人ひとりの行動が、国産サバの未来を変える力となります。おいしくて栄養価の高い国産サバを守り、未来の世代へ繋いでいくために、今できることから始めてみませんか。