中国で人気を誇る鶏肉料理チェーン店「楊銘宇黄燜鶏米飯(ヤンミンユー・ホンメンジーミーファン)」で、信じられない食品偽装が発覚し、日本を含む世界中で波紋を広げています。高田馬場や御徒町にも店舗を展開するこのチェーン店、一体何が起きていたのでしょうか?
前日の残り物を再利用…その実態とは?
河南省の複数店舗で、前日の客の食べ残しを翌日再利用していたという衝撃的な事実が明るみになりました。潜入取材を行った記者が撮影した写真や動画には、残されたキノコや野菜を水洗いして再利用する様子や、変色した牛肉を”魔法の粉”と呼ばれる着色料で鮮やかに蘇らせる様子が克明に記録されています。まるで悪夢のような光景に、中国の消費者は怒りを露わにしています。
食べ残しを再利用する様子
「午前中のテイクアウトは特に危険」と記者は警鐘を鳴らします。前日の残り物が使われている可能性が最も高い時間帯だからです。時間経過で品質劣化を隠蔽しようとする、悪質な意図が透けて見えます。
中国の食文化と規制の限界
この事件は、中国の食文化と規制の限界を浮き彫りにしました。中国では、宴会などで料理を残すことが豊かさの象徴とされる風習があり、飲食店側も食べ残しを再利用することを「食材ロス削減のプロの技」と考える風潮があるといいます。
広東のグルメブロガー、李偉(仮名)氏は、「人気店でも規則が守られていない現状を見る限り、規制自体が無意味」と指摘します。「中国の飲食業界は、コストと利益を最優先し、衛生管理は後回しにされがち。健康証明書の取得も形骸化している」と、業界の闇を告発しています。
食の安全への意識改革を
今回の事件は、中国の食品安全に対する意識改革を迫るものとなるでしょう。消費者は、食の安全に対する意識を高め、問題のある店舗を積極的に通報する必要があります。また、行政はより実効性のある規制を導入し、違反者には厳正な処分を下す必要があるでしょう。
中国の食卓
中国の食文化は奥深く魅力的ですが、その裏に潜む危険性を忘れてはなりません。安全でおいしい食事を楽しむためには、消費者、飲食店、そして行政が一体となって、食の安全を守っていく努力が不可欠です。