トランプ前大統領、ウクライナ戦争終結の鍵は自分?プーチン氏との関係を強調

元アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏が、ロシアのプーチン大統領との関係こそがウクライナ戦争の終結の鍵だと主張し、注目を集めています。本記事では、トランプ氏の主張と専門家の見解、そしてノーベル平和賞の可能性について掘り下げていきます。

プーチン氏との関係を誇示、戦争終結への自信

トランプ氏はオンラインスポーツメディア「アウトキック」のインタビューで、自身の在任中はロシアによる侵略はなかったと強調。プーチン大統領を止められるのは自分だけだと自信を示しました。ジョージア紛争やクリミア併合がブッシュ、オバマ政権下で起きたこと、ウクライナ侵攻がバイデン政権下で起きたことを挙げ、自らの実績をアピールしています。

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プーチン氏との「非常に合理的な議論」を通じて、人々の死を防ぎたいと語るトランプ氏。プーチン氏だけでなく、ゼレンスキー大統領とも良好な関係を築いていたと強調し、「戦争を防げたかもしれない」と過去の出来事を振り返りました。そして「他の誰にもできなかっただろう」と、自身の外交手腕を高く評価しています。

専門家からは疑問の声、ロシアの真意はどこに?

しかし、トランプ氏の楽観的な見方に対しては、専門家から疑問の声が上がっています。ロシア専門家のマーク・ガレオティ氏は、プーチン大統領は機会主義者であり、常に自身に有利な状況を作り出すと指摘。混乱に乗じて利益を追求するプーチン氏の姿勢を考えると、トランプ氏の主張は現実的ではないとの見方を示しています。

また、ドイツマーシャルファンドのクリスティン・ベルジーナ氏は、たとえ休戦が成立したとしても、ロシアはウクライナに対する「見えない戦争」を継続する可能性が高いと警告。選挙介入など、様々な手段でウクライナへの影響力を行使し続けると予想しています。

ノーベル平和賞への言及、その真意は?

さらに、トランプ氏はウクライナ戦争を終結させればノーベル平和賞を受賞できる可能性があるかという質問に対し、「オバマ氏は何もしていないのに受賞した」と皮肉を交えて回答。自身はアブラハム合意など、平和への貢献が認められるべきだと主張しました。

しかし、アブラハム合意もサウジアラビアの不参加やガザ地区紛争の勃発など、課題を抱えています。これらの現状を踏まえると、トランプ氏のノーベル平和賞への期待は、やや楽観的すぎるようにも見えます。

トランプ氏の主張は、ウクライナ戦争の複雑な現状を単純化しすぎているとの批判もあります。プーチン氏との個人的な関係だけで戦争を終結できるとは考えにくく、国際社会の協力が不可欠です。今後の情勢を注視していく必要があります。