ガム1枚かむだけで数百のマイクロプラスチックが唾液に放出 新研究


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マイクロプラスチックはポリマーの破片で、大きさが5ミリ未満から1マイクロメートルまでのものを指す。それよりも小さいプラスチックはナノプラスチックとされ、10億分の1メートル(ナノメートル)で測定される。

ポリマーは、モノマーと呼ばれる分子の繰り返し構造を持つ長い数珠状の大きな分子化合物で、耐久性と柔軟性で知られている。ほとんどのプラスチックは合成ポリマーを原料とする一方で、天然ポリマーには植物由来のセルロースが含まれる。研究著者らによると、チューインガムには通常、舌ざわりや弾力性、風味の持続性を高めるために合成または天然ポリマーが含まれている。

以前の研究から、マイクロプラスチックは経口摂取や吸入によって体内に入り、血液、肺、胎盤、脳、精巣など、体のさまざまな部分や体液に存在することが分かっている。そこで、著者らはマイクロプラスチックを摂取しうる経路とその濃度を特定したいと考えた。

チューインガムはプラスチックポリマーが原料として使用されている唯一の食品であることから研究対象に選ばれたという。なお、他の食品は、加工処理や包装によってマイクロプラスチックが入り込む。

著者らが把握している限り、今回の研究は市販されているチューインガムのマイクロプラスチックを初めて調査または比較したものだ。

調査結果は、米国で人気のある10種類のガムに基づいている。サンプルとなったガムの半数は合成成分で作られており、残りは天然成分で作られたもの。

研究者は、参加者が4分間ガムをかんでいる間に分泌された唾液を30秒ごとに遠心分離管に採取した。

分析の結果、1グラムのチューインガムから平均約100個のマイクロプラスチックが放出されることが判明した。一部のガムでは1グラムあたり637個のマイクロプラスチックが放出されたという。各種の報告によると、一般的なガム1枚の重さは1グラムから数グラムに及ぶ。

著者らは、天然のガムをかんだ場合でもほとんど違いがないことに驚いた。合成成分のガム1グラムあたりのマイクロプラスチックの平均個数は104個で、天然ガムでは96個だった。



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