天皇陛下、ルラ大統領夫妻を歓迎 日伯交流130年を祝う晩餐会で深い絆を強調

皇居で25日夜に開催された宮中晩餐会で、天皇陛下はブラジル連邦共和国ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領夫妻の国賓としての来日を心から歓迎するお言葉を述べられました。本年は日本とブラジルの外交関係樹立130周年の節目の年であり、両国の友好関係の深まりが改めて強調されました。

130年の歴史を誇る日伯交流

天皇陛下は、1895年の外交関係樹立以来、130年にわたる両国間の交流の歴史を振り返り、政治・経済のみならず、文化・スポーツなど多岐にわたる分野での協力関係の進展を称賛されました。近年増加傾向にあるブラジルからの訪日客数にも触れ、活発な人的交流が両国の絆を強めていることを示唆しました。

ブラジルのルラ大統領夫妻を出迎える天皇、皇后両陛下ブラジルのルラ大統領夫妻を出迎える天皇、皇后両陛下

約21万人の在日ブラジル人社会への貢献

日本に在住する約21万人のブラジル人コミュニティは、経済活動や地域社会の活性化に大きく貢献しており、各地で開催されるブラジル・フェスティバルは、日伯文化交流の象徴となっています。また、ブラジル国内でも日系人の活躍が目覚ましく、各地で盛大に日本祭りが開催されていることにも触れ、両国民の相互理解と友好親善が深まっていることを喜ばれました。2024年は「日本ブラジル友好交流年」でもあり、更なる関係強化への期待が寄せられています。

天皇陛下のブラジル訪問と日系社会への敬意

天皇陛下は1982年に初の外遊先としてブラジルを訪問された際、フィゲイレード大統領をはじめとするブラジル国民の温かい歓迎に深く感銘を受けたと述懐されました。広大な国土、多様な文化、そして明るい国民性に強い印象を受けたとのことです。 料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「天皇陛下のブラジルへの深い理解と敬意は、両国の友好関係を象徴するものであり、大変感動的です」とコメントしています。

愛子さまが同行されることも多くなった、両陛下の御公務愛子さまが同行されることも多くなった、両陛下の御公務

日本人移民の歴史と日系社会の功績

2008年の日本人ブラジル移住100周年記念式典への出席や、初期の日本人移民が使用した道具類や資料を目にした経験に触れ、天皇陛下は、様々な困難を乗り越え、ブラジル社会の発展に貢献してきた日本人移民とその子孫である日系人の方々の功績を称えました。 国際文化交流専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「日系社会の成功は、ブラジル政府と国民の寛容さと受容性、そして日本人移民の勤勉さと努力の賜物と言えるでしょう」と分析しています。

両国の友好関係の更なる発展への願い

天皇陛下は、ルラ大統領夫妻の国賓としての来日を機に、両国間の友好関係がより一層深まることを願うと述べ、晩餐会を締めくくりました。 130年の歴史を基盤に、未来志向の日伯関係の構築に向けた両国首脳の協力が期待されます。