韓国南東部で21日以降、発生した山火事が急速に拡大し、甚大な被害をもたらしています。本記事では、被害状況、消火活動の現状、そして今後の対策について詳しく解説します。
未曾有の被害、死者24名、避難者2万7千人に
行政安全省の発表によると、26日午後4時までの暫定的な集計で、今回の山火事による死者は24名、負傷者は26名に上っています。また、26日朝までに約2万7千人の住民が避難を余儀なくされました。山火事の発生地域は主に慶尚南道や慶尚北道などの南東部で、強風と乾燥した空気の影響で火の手は瞬く間に広がり、住宅や倉庫など200棟以上の建物が焼失しました。
alt韓国の山火事の様子。煙が空高く舞い上がっている。
消火活動難航、強風と乾燥が火の手を助長
当局は130機近くのヘリコプターを投入し、消防や軍など多数の人員を動員して懸命の消火活動を行っています。しかし、乾燥した空気と強風の影響で鎮火活動は難航しており、一部地域を除いて未だ鎮火には至っていません。さらに、26日には消火活動中のヘリコプター1機が墜落し、操縦士1名が死亡するという痛ましい事故も発生しました。これによりヘリコプターの運用は一時中断され、消火活動に更なる支障が出ています。
世界遺産「河回村」にも迫る火の手、文化遺産への影響懸念
韓国メディアによると、火の手は世界文化遺産に登録されている安東市の「河回村」にも迫っており、貴重な文化遺産への被害が懸念されています。「河回村」は朝鮮時代の両班(ヤンバン)の伝統的な家屋が保存されている貴重な場所で、山火事による被害は韓国の文化的な損失にも繋がります。専門家からは「歴史的建造物の保全対策を早急に講じる必要がある」との声が上がっています。 例えば、日本の古都・京都の社寺仏閣では、定期的な防火訓練や延焼を防ぐための防火帯の設置など、様々な対策が取られています。韓国でも同様の取り組みを強化する必要があるでしょう。
政府による対応と今後の対策
大統領権限代行の韓悳洙首相は26日、国民向けの談話で「鎮火作業に全力を尽くしている」と述べ、これまでの山火事への対処や予防に不足していた点を点検し、改善策を講じる考えを示しました。今後の対策としては、早期警戒システムの強化、防火林の整備、住民への防災教育の徹底などが挙げられます。
まとめ:一刻も早い鎮火と復興を
今回の山火事は韓国社会に大きな衝撃を与えました。一刻も早い鎮火と被災地の復興が望まれます。また、今回の災害を教訓に、今後の防災対策の強化が不可欠です。