NHK連続テレビ小説「おむすび」が、3月28日に最終回を迎えました。橋本環奈さん演じる主人公・結の成長と、人と人との繋がりを描いた心温まる物語は、多くの視聴者の心を掴みました。最終回では、様々な問題が解決し、登場人物たちの未来が描かれる感動的な展開となりましたが、エピローグの演出に一部視聴者から困惑の声が上がっています。一体何が起こったのでしょうか?
平成から令和へ、結の物語が完結
「おむすび」は、平成元年に生まれた結がギャル文化との出会いを通して成長し、栄養士として人々の心と未来を繋いでいく物語です。1995年の阪神・淡路大震災を背景に、家族や友人との絆、そして震災で心に傷を負った人々との交流が丁寧に描かれてきました。最終回では、結の姉・歩(仲里依紗)が震災で亡くなった幼馴染に似た少女・詩(大島美優)を引き取り、新たな家族として歩み始める姿が描かれました。1年後、結は娘の花(新津ちせ)と共に両親が移住した糸島を訪れ、家族や友人との再会を喜びます。夫の翔也(佐野勇斗)も合流し、B’zの主題歌「イルミネーション」と共にこれまでの思い出が振り返られました。
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橋本環奈さん演じる結と、家族の温かいワンシーン。最終回では、結の成長した姿と、家族の絆が感動的に描かれました。
そして2025年へ…エピローグの演出に疑問の声
感動的なエンディングを迎えたと思いきや、場面は阪神・淡路大震災から30年後の2025年1月17日に移ります。結がおむすびを作り、震災時に避難所でおむすびをくれた女性・雅美(安藤千代子)と共に食べるシーンで物語は幕を閉じます。しかし、このエピローグの演出が視聴者の間で物議を醸しました。
このシーンは、結がテレビをつけると「阪神・淡路大震災から17年…」というリリー・フランキーさんのナレーションが流れるところから始まります。実はこのテレビ番組、現実世界で同日に放送された「おむすび」第75話の映像をそのまま使用したものだったのです。
制作側の意図は?
この演出について、「Yahoo!ニュース」に掲載されたインタビューで制作統括の真鍋斎氏が説明しています。チーフ演出家の野田雄介氏から「ドラマの最終回が2025年1月17日の設定なので、その日に『おむすび』が放送されていることにしたい」という提案があったとのこと。
混乱を招いた演出意図
この演出は、ドラマの世界観と現実世界を繋げる斬新な試みと言えるでしょう。しかし、視聴者にとっては唐突な印象を与え、混乱を招いたのも事実です。事前に説明がなかったため、演出の意図を理解できなかった視聴者も多かったようです。
料理研究家の佐藤恵美子さんの見解
この件に関して、料理研究家の佐藤恵美子さんは「ドラマの演出としては斬新で面白い試みだと思います。しかし、視聴者にとって分かりやすい演出であったかどうかは疑問です。もう少し説明的な要素を加えるか、別の方法で表現することもできたのではないでしょうか。」と語っています。
まとめ:感動と疑問を残した最終回
「おむすび」は、平成から令和へと続く時代の中で、人々の繋がりと温かさを描いた感動的なドラマでした。最終回も、結の成長と家族の絆が美しく描かれ、多くの視聴者の心を揺さぶりました。しかし、エピローグの演出は賛否両論を巻き起こし、物語の余韻に複雑な感情を残す結果となりました。