ロシア、ウクライナによるガス施設攻撃を非難 クルスク州スジャで甚大な被害

ウクライナ紛争の激化が続く中、ロシアはウクライナ軍によるガス施設への攻撃を強く非難しました。今回の攻撃は、クルスク州スジャにある重要なガス施設を標的としたもので、ロシア国防省は施設が事実上破壊されたと発表しています。この事件は、エネルギー供給の安定性への懸念を高めるだけでなく、両国間の緊張をさらに悪化させる可能性があります。

ウクライナ軍による攻撃の実態

ロシア国防省によると、3月28日午前10時20分頃、ウクライナ軍はアメリカ製の高機動ロケット砲システム「HIMARS」を用いて、スジャのガス測量所に対して二重攻撃を行いました。この攻撃により大規模な火災が発生し、施設は甚大な被害を受けました。ロシア側は、この攻撃は部分停戦合意に違反するものであり、ウクライナを強く非難しています。

altalt(クルスク州スジャのガス施設で発生した火災の様子。ロシア国防省提供)

一方、ウクライナ側は、ロシアの主張を否定し、ロシア自身が施設を攻撃したと反論しています。ウクライナ国家安全保障当局者は、テレグラムでこの見解を表明しました。両国の主張は真っ向から対立しており、真相究明が急務となっています。

スジャ:エネルギー供給の要衝

スジャは、かつてロシアからウクライナを経由してヨーロッパへ天然ガスを輸送するパイプラインの中継地点として重要な役割を果たしていました。このパイプラインにはガス測量所が設置されており、ヨーロッパへのガス供給を管理する重要な施設でした。しかし、ウクライナが契約を更新しなかったため、2024年1月1日に稼働停止していました。今回の攻撃は、既に停止しているとはいえ、重要なエネルギーインフラを標的としたものであり、エネルギー安全保障に対する懸念を高めるものです。

ロシア側の更なる主張

ロシア国防省は、ウクライナ軍がスジャのガス施設以外にも、ベルゴロドの電力施設を攻撃し停電を引き起こしたと主張しています。さらに、サラトフ州の製油所への攻撃も試みたとしています。これらの攻撃についても、ウクライナ側は関与を否定しています。ロイター通信はこれらの主張の事実関係を確認できていないとしています。

専門家の見解

国際エネルギーアナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の攻撃は、ウクライナ紛争がエネルギー供給網に及ぼすリスクを改めて浮き彫りにした。エネルギー施設への攻撃は、地域全体のエネルギー安全保障を脅かすだけでなく、人道的な危機にもつながりかねない。国際社会は、エネルギーインフラの保護に向けて早急な対策を講じる必要がある」と述べています。

今後の展開が注目される中、エネルギー供給の安定性と地域情勢への影響について、引き続きjp24h.comは最新情報をお届けしていきます。

まとめ

ウクライナ紛争におけるロシアとウクライナの対立は激化の一途を辿っており、今回のガス施設攻撃はその深刻さを改めて示すものです。エネルギーインフラへの攻撃は、国際社会全体の安全保障に関わる重大な問題であり、一刻も早い解決策が求められます。