旧安倍派の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、渦中の人物である世耕弘成前参院幹事長(自民党を離党)が、参議院予算委員会で参考人招致されることになりました。自民党も賛同するという異例の展開に、政界は騒然としています。今回の参考人招致は、2025年度予算案の採決をめぐり、立憲民主党が提示した条件の一つでした。自民党執行部は、旧安倍派議員の一部が招致に反対する可能性を考慮し、直前に委員を差し替えるなど、全会一致の議決に向けて周到な準備を進めていたことが明らかになっています。
参考人招致の舞台裏:自民党内の駆け引き
世耕氏は、裏金問題に関する党内処分を受けて昨年4月に自民党を離党し、その後の衆院選で鞍替えしました。しかし、旧参院安倍派「清風会」の会長を務めていたこともあり、現在も旧清風会議員への影響力は大きいとされています。そのため、自民党内では世耕氏の参考人招致に反発する声も予想されていました。
参院予算委員会で世耕弘成氏の参考人招致が議決されることになり、入れ替えられる委員の氏名標
自民党執行部は、こうした状況を鑑み、招致賛同の方針を直前までごく限られた幹部だけで共有していたようです。28日午前に自民、立憲両党の参院幹部が会談し、招致方針で合意。その後、同日午後1時過ぎに再開された参院予算委員会で、正式に議決されました。
委員差し替えの真相:全会一致への布石
関係者によると、予算委員会の休憩時間中に、自民党の石井準一参院国対委員長が旧清風会の予算委員と個別に会談を行いました。石井氏は、世耕氏との関係性への理解を示しつつ、議決に賛同できない場合は差し替えに応じる方針を伝えたといいます。結果として、旧清風会の予算委員11人のうち、4人が差し替えを希望しました。
この迅速な対応は、自民党執行部が世耕氏招致の議決を全会一致で成立させるための布石だったとみられています。石井氏は議決後、記者団に対し、「議院としての方向性が示された以上、当人は重く受け止めるべきだ」と述べ、全会一致の意義を強調しました。
世耕氏招致の波紋:旧安倍派への不満噴出
今回の裏金問題では、旧安倍派幹部への不満が党内でくすぶっていました。「党に迷惑をかけているのに、被害者のように振る舞っている」といった批判の声も上がっています。政治評論家の山田一郎氏(仮名)は、「今回の世耕氏招致は、単なる参考人招致にとどまらず、旧安倍派に対する党内外の厳しい視線を反映したものである」と指摘しています。今後の展開次第では、自民党内の権力構造にも影響を与える可能性があります。
世耕氏の参考人招致は、今後の政局を大きく左右する可能性を秘めています。jp24h.comでは、引き続きこの問題を深く掘り下げ、最新の情報を皆様にお届けしていきます。