日韓、米関税政策への対応で連携強化へ エネルギー分野などでも協力

日韓両国の経済産業大臣がソウルで会談を行い、トランプ前米政権時代の関税政策への対応について意見交換を行いました。日韓は自由貿易体制の維持・強化に向けて連携を深めることで一致しました。また、エネルギー分野での協力や、2025年大阪・関西万博、APEC首脳会議といった国際的なイベントでの協調についても確認しました。

米国関税政策への懸念を共有

武藤容治経済産業相と安徳根産業通商資源相は、米国の保護主義的な通商政策が世界経済に及ぼす影響について懸念を共有しました。両大臣は、自由で開かれた国際的な貿易体制の重要性を改めて確認し、WTO改革などを通じてルールに基づく貿易秩序の維持・強化に共に取り組むことで合意しました。

日韓経済産業大臣会談日韓経済産業大臣会談

エネルギー分野での協力強化

両国は、再生可能エネルギーや省エネルギー技術など、エネルギー分野での協力関係の強化についても議論しました。エネルギー安全保障の観点からも、両国間の連携強化は重要性を増しています。具体的な協力内容については、今後さらに協議を進める予定です。食料安全保障についても意見交換が行われ、安定供給の確保に向けた協力の重要性が確認されました。

大阪・関西万博、APECでの協力

2025年に日本で開催される大阪・関西万博とAPEC首脳会議についても議題に上がりました。両国は、これらの国際的なイベントを成功させるために緊密に協力していくことで一致しました。万博を契機とした経済交流の活性化や、APECにおける地域経済の統合に向けた取り組みなど、幅広い分野での協調が期待されます。

中国商務相との会談でも米関税政策を議論

武藤経済産業相は、韓国訪問に先立ち、中国の王文濤商務相とも会談を行いました。この会談でも、米国の関税政策が主要な議題となりました。武藤氏は会談後の記者会見で、日中韓3カ国が米国の保護主義的な政策に対して危機感を共有していることを明らかにしました。「日韓は自動車やエネルギー分野で共通の課題を抱えている。難しい状況下だからこそ、情報交換を密にし、自由貿易の徹底に向けて協力していくことが重要だ」と述べました。

武藤経済産業相武藤経済産業相

経済アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「日韓中3カ国が協力して米国と交渉することで、より大きな影響力を持つことができるだろう。自由貿易体制の維持のためには、各国間の連携が不可欠だ」と指摘しています。

日韓両国は、今後も様々な分野で協力関係を強化していく方針です。特に、経済安全保障や国際的なルール作りにおいて、両国の連携はますます重要性を増していくと考えられます。