トランプ米大統領は29日、輸入自動車に対する25%の関税施行が自動車価格引き上げにつながるだろうとの見通しに対し、「まったく気にしていない」と述べた。来月2日に予告した世界のすべての国に対する相互関税と関連しても、より積極的な政策を注文した。
輸出で生きる韓国の立場では、先週の自動車関税決定に続き韓国に対する相互関税率が決まる今週が重大な山場になるだろうという懸念が出ている。
◇「輸入車価格上がれば米国車買う」
トランプ大統領はこの日、NBCとのインタビューで「自動車価格上昇を懸念するか」という質問に「私は全く気にしていない。彼ら(関税が課される外国自動車メーカー)が価格を上げることを望む。彼らがそうすれば人々が米国製自動車を買うことになるため」と話した。
トランプ大統領は4月2日からすべての輸入自動車と主要部品に対して25%の関税を課すと発表した。この関税が施行されれば自動車価格上昇は避けられない。カナダとメキシコなどに多くの生産拠点を置いた米国の自動車メーカーの事情も大きく変わらない。
ゴールドマン・サックスは米国内の輸入車価格が5000~1万5000ドル(約750~225万円)まで上がると予想した。ただ米国製の主要部品が使われた自動車には海外で生産されたとしても一部関税が免除され、米国メーカーの価格上昇幅が抑えられる可能性はある。
米国のメーカーでは第2次トランプ政権の「皇太子」に浮上したイーロン・マスク氏が所有するテスラの場合、米国で販売するすべての車を米国で生産しているので関税は課されない。
トランプ大統領は「(自動車関税は)絶対的に永久的。世界は40年以上米国を絞り取ってきたのでわれわれがやること(関税施行)は公正だ」と主張した。
◇「先に相互関税、後で交渉」示唆
トランプ大統領はまた、4月2日に世界各国の関税率と非関税障壁を考慮して発表する相互関税の発表時期も先送りする意向はないと再確認した。
トランプ大統領は28日、「相互関税発表前に各国との交渉の余地はあるか」という記者らの質問に「そうではない。おそらくその後だ」と答えた。世界のすべての国に対する相互関税率を一方的に発表した後で必要に応じて交渉することもできるという意味とみられる。
韓国は米国を相手に貿易黒字を出しているいわゆる「ダーティー15」に含まれており、比較的高い相互関税率を課される可能性があるとの見方が出ている。もし韓国に10%の相互関税率が課される場合、韓国製自動車は自動車に課される25%の関税に加えて韓国に課される10%の関税を追加した35%の関税が追加で課され、米国市場で価格競争力を失うことになる可能性がある。
これと関連しトランプ大統領はこの日、NBCとのインタビューで「各国は途轍もなく価値のあるものを持っている。彼らが途轍もなく価値があるものを喜んでわれわれに与えないならば(相互関税と関連した)交渉の余地はない」と話した。
ワシントン・ポストによると、トランプ大統領は高位参謀らに、さらに攻勢的な相互関税政策立案を注文した。相手国に「価値あるもの」を差し出させるために相互関税発表過程であらかじめ有利な交渉条件を用意しておくという意味と解釈される。
◇グリーンランド併合に「武力使用」の可能性示唆
トランプ大統領はこれとともに併合の野心を見せてきたデンマーク領グリーンランドに対し「われわれはグリーンランドを得るだろう。これは100%。武力を使わずともそのようにできる高い可能性がある」と主張した。
トランプ大統領は「私は何もテーブルから下ろさない」としてグリーンランド併合に向けて場合によっては武力使用のオプションも完全に排除していないという考えを再確認した。
こうした中、トランプ大統領はこの日自身のソーシャルメディア(SNS)トゥルースソーシャルにフロリダ州パームビーチにあるトランプインターナショナルゴルフクラブでフィンランドのストゥブ大統領とともにゴルフをしたとして並んで撮った写真を投稿した。
トランプ大統領は「ストゥブ大統領と私は米国とフィンランドのパートナーシップを強化することを待ちこがれている」として砕氷船大量購入と開発を協力事業に取り上げ協議した。グリーンランドに対する統制力強化に向けては砕氷船確保が急務に選ばれる。フィンランドは世界の砕氷船の80%を設計し、相当数の砕氷船を建造する国だ。