日米防衛相会談、中国の現状変更に反対表明で波紋:中国側は反発、歴史の教訓を強調

日米両国の防衛大臣が会談を行い、中国の現状変更の試みに反対する姿勢を明確にしたことで、中国政府から強い反発の声が上がっています。本記事では、日米防衛相会談の内容と中国側の反応、そして今後の東アジア情勢について詳しく解説します。

日米防衛相会談:中国への懸念を共有

2025年3月30日に行われた日米防衛大臣会談では、中谷防衛大臣とアメリカのヘグセス国防長官が、東シナ海および南シナ海における中国の一方的な現状変更の試みに反対することで一致しました。特に、中国による海洋進出や軍事活動の活発化を受け、地域の平和と安定を維持するための連携強化が重要課題として議論されました。また、台湾海峡の平和と安定の重要性も改めて強調されました。

日米防衛相会談日米防衛相会談

中国側の反応:地域の平和と発展への危害を懸念

中国外務省の郭嘉昆報道官は31日の記者会見で、日米防衛相会談の内容に強く反発しました。郭報道官は、「日米の軍事・安全保障協力は第三国を対象としたり、地域の平和と発展に危害を及ぼしたりすべきではない」と主張し、日米両国に自制を求めました。

歴史の教訓と台湾問題

さらに、郭報道官は、今年は抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利80周年にあたると指摘し、「日本側は歴史的な教訓をくみ取り、軍事・安全保障分野で慎重に行動するべきだ」と釘を刺しました。また、台湾問題については「完全に中国の内政問題だ」と強調し、日本とアメリカが介入しないよう牽制しました。国際政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「中国は歴史問題を持ち出すことで、日本への圧力を強めようとしている」と分析しています。

南シナ海と台湾海峡の緊張:現状変更の試み続く

南シナ海では、フィリピンと領有権を争う海域で中国軍が“定期パトロール”を実施しており、緊張が高まっています。台湾海峡周辺でも、中国軍の戦闘機が繰り返し中間線を越えて飛行するなど、現状変更の試みが続いています。専門家は、偶発的な衝突のリスクが高まっていると警告しており、今後の動向が注目されます。

東アジア情勢の展望:対話と協力の重要性

日米両国は、中国との対話と協力を重視しつつ、地域の平和と安定を維持するために必要な措置を講じていく方針です。しかし、中国側の強硬な姿勢を踏まえると、東アジア情勢の先行きは不透明感が増しています。国際社会は、中国との建設的な対話を促進するとともに、国際法に基づく秩序の維持に努める必要があります。