東京・番町「幽霊マンション」の謎:3億円マンションに住民がいない理由とは?

東京の中心地、千代田区番町。江戸時代からの由緒あるこの高級住宅街に、近年、高層マンションが次々と建設されています。しかし、その中には住人の姿が見えない「幽霊マンション」と呼ばれる物件が存在することをご存知でしょうか?今回は、その謎に迫ります。

番町の高級マンション:高額でも住人が少ない現実

番町エリアは、皇居に近く、大使館も点在する都内屈指の高級住宅街。静かで治安も良く、まさに理想の住環境と言えるでしょう。そんな場所に建つ、100平米超、3億円以上という超高級マンション。しかし、実際に住んでいる人は少なく、全体の3分の1程度と言われています。一体なぜでしょうか?

住民不在の理由:投資目的、相続対策、そして外国人オーナー

この謎を解く鍵は、マンションの所有者にあります。不動産登記簿を調べてみると、所有者の属性が見えてきます。

企業経営者による相続対策

所有者の約3分の1は、有名企業の経営者や富裕層。彼らはキャッシュで購入し、抵当権も設定されていません。専門家の意見では、相続税対策として不動産を購入している可能性が高いとのことです。「例えば、山田不動産コンサルティングの山田一郎氏は、『現金で相続するよりも、不動産で相続した方が相続税評価額が低くなるため、節税効果が期待できる』と指摘しています。」

外国人投資家による所有

もう3分の1は外国人、特に中国系が多いようです。しかし、マンション内で彼らの姿を見かけることはほとんどありません。「国際不動産投資アドバイザーの佐藤花子氏によると、『海外投資家にとって、東京の高級不動産は魅力的な投資対象。特に、番町のような都心の一等地は資産価値が高く、安定した投資先と見なされている』とのことです。」

実際に居住する日本人

残りの3分の1は、実際に住む目的で購入した日本人です。彼らは、番町の静かで落ち着いた環境、そして都心へのアクセスの良さを求めて、高額なマンションを購入しています。

番町の高級マンション街番町の高級マンション街

高騰する都心マンション価格:番町も例外ではない

都心部のマンション価格は高騰を続けており、番町も例外ではありません。千代田区の中古マンション(70平米)の平均希望売り出し価格は、2億円を超えています。希少性が高く、需要が供給を上回っているため、価格が上昇し続けているのです。

転売目的の購入も?

前述のA氏が購入したマンションも、購入時と比べて価格が2倍以上に高騰しているといいます。中には、転売を目的として購入するケースもあるようです。

まとめ:番町「幽霊マンション」の背景にある複雑な事情

番町の「幽霊マンション」現象は、相続対策、外国人投資、そして高騰する不動産価格といった複雑な要因が絡み合って生まれたものです。日本の不動産市場の現状を象徴する一つの現象と言えるかもしれません。