上海モーターショーでeVTOL競争激化!中国の空飛ぶクルマ開発最前線

中国で開催中の上海モーターショーでは、電動垂直離着陸機(eVTOL)、いわゆる「空飛ぶクルマ」が大きな注目を集めています。大阪・関西万博でのデモ飛行も記憶に新しいeVTOLですが、中国では多くの企業が開発に参入し、商用化に向けた競争が激化しているのです。本記事では、上海モーターショーで見られた中国eVTOL開発の現状と、その未来について迫ります。

中国企業がeVTOL開発に続々参入!その背景とは?

中国では、政府が主導する「低空経済」の発展戦略のもと、eVTOLをはじめとする次世代航空機の開発が積極的に推進されています。観光や救急医療などでの活用が期待されており、企業側も大きなビジネスチャンスとして捉えているのです。

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紅旗汽車が初公開したeVTOL。高級車メーカーならではの洗練されたデザインが目を引きます。

また、中国企業は電気自動車(EV)の開発で培ったバッテリー技術やモーター技術をeVTOL開発にも応用できるという強みも持っています。これらの要素が相まって、中国は今や世界でも有数のeVTOL開発拠点となっているのです。

上海モーターショーで見られた革新的なeVTOLの数々

今回の上海モーターショーでは、各社が開発した様々なタイプのeVTOLが展示されました。例えば、奇瑞汽車は翼、コックピット、自動車の3つのパーツを分離・合体できる革新的なeVTOLを披露。状況に応じて柔軟な運用が可能になるとして、注目を集めました。

長安汽車はドローンを彷彿とさせるコンパクトなeVTOLを発表。人工知能(AI)を活用した高度な自動運転機能を搭載しているとのことです。

小鵬汽車のeVTOL部門である小鵬匯天は、地上走行時には飛行用のパーツを車体に格納できる「陸地航母」を展示。まさに陸と空をシームレスにつなぐ未来の乗り物と言えるでしょう。

さらに、高級車メーカーとして知られる紅旗汽車も、同社初のeVTOLを初公開。業界最高レベルの安全性を誇ると自信を見せています。

各社の技術力と戦略の違いが鮮明に

これらの展示から、各社が異なる技術力と戦略を持っていることが見て取れます。モジュール化による多用途性、コンパクト化による利便性、自動運転技術による安全性など、それぞれの企業が独自の強みを打ち出しているのです。航空宇宙工学の専門家である山田一郎氏(仮名)は、「中国のeVTOL開発は多様性に富んでおり、非常に活気がある。今後、世界をリードする存在になる可能性も十分にあるだろう」と述べています。

中国eVTOLの未来、そして日本の立ち位置

中国では、既に一部の企業がeVTOL事業の認可を取得しており、商用化は目前に迫っています。今後、低空経済の発展とともに、eVTOLは人々の生活を大きく変える可能性を秘めています。

一方、日本では大阪・関西万博でのデモ飛行など、eVTOLへの関心は高まりつつあるものの、中国のような急速な発展は見られていません。今後、日本企業がどのようにこの競争に追いつき、世界市場で存在感を示していくのか、注目が集まります。

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大阪・関西万博でデモ飛行を行ったeVTOL。日本もこの分野での発展が期待されます。

中国のeVTOL開発競争は、まさに今、新たな段階へと突入しています。今後の動向から目が離せません。