日野自動車は31日、エンジンの認証不正問題で、トラックやバスを購入するなどしたニュージーランドの3社から、損害賠償を求める集団訴訟を起こされたと発表した。一連の問題による訴訟は和解済みも含め、米国やカナダ、オーストラリアに次いで4か国目。米当局と1月に和解し、問題は終結に向かっているものの、三菱ふそうトラック・バスとの経営統合協議に与える影響が懸念される。
3社は3月3日、日野や現地販売店を相手取り、ニュージーランド高等裁判所の地方支部に提訴した。
2010~25年に不正のあった車両を購入するなどしたが、排ガス性能の改ざんなどによって損害を被ったと主張している。具体的な請求額は明らかにしていないという。
日野は、「原告の主張及び請求内容を精査したうえで適切に対処していく」とコメントした。
一連の問題は22年に発覚。日野は今年1月、米当局への制裁金の支払いなどで、25年3月期に計2584億円の特別損失を計上すると発表した。経営統合に与える影響については、「コメントできない」としている。