教師の負担:部活動顧問はボランティア?保護者からの理不尽な要求と向き合う現実

部活動は学校生活の華であり、生徒たちの成長を促す貴重な場です。しかし、その裏側で、顧問を務める教師たちの負担が大きな問題となっています。今回は、元教師のすぎやまさんの著書『教師の本音 生徒には言えない先生の裏側』(SB新書)を参考に、部活動顧問の実態と、保護者からの理不尽な要求に苦悩する教師の姿に迫ります。

部活動顧問の負担:時間外活動とボランティア感覚

部活動顧問の教師は、指導に多くの時間を費やしています。しかし、平日の朝や放課後の活動は「教師の自主的な活動」とされ、残業代は支給されません。実質的にはボランティアのような状態です。

alt 部活動の風景。生徒たちが運動場で活動している様子。alt 部活動の風景。生徒たちが運動場で活動している様子。

法的にも時間外の部活動指導を強制することはできません。しかし、保護者の中には「部活動指導も教師の仕事」と捉え、「やって当たり前」という意識を持つ人も少なくありません。この意識のズレが、教師と保護者間のトラブルの原因となっています。

すぎやまさんも、部活動に関して「やってもやらなくても文句を言われる」というジレンマに悩まされていました。ボランティアで活動しているにも関わらず、感謝されるどころかクレームを受けることもあり、精神的な負担は計り知れません。

保護者からの理不尽な要求:休日の部活動と生徒の青春

ある日、すぎやまさんは赴任先の学校で、4月の部活動予定表を作成しました。その予定表では、日曜日は部活動の休みとしていました。すると、翌日、部活動保護者会長が職員室に怒鳴り込んできたのです。

日曜日は学校の定休日であるにも関わらず、「前の先生は土日も毎週夜中までやってくれた」「この子たちの青春を潰す気なの?」と激昂する保護者会長。すぎやまさんは唖然としつつも、「じゃあ、ちょっと考えますから」と、その場を収めるのが精一杯でした。

専門家の意見:部活動改革の必要性

教育評論家の山田先生(仮名)は、「部活動は生徒にとって重要な教育活動ですが、教師の負担を軽減するための改革が必要です。保護者との適切なコミュニケーションを図り、相互理解を深めることも重要です」と指摘しています。

まとめ:教師と保護者の協力でより良い部活動へ

部活動は生徒の成長を支える重要な活動です。しかし、現状では教師の負担が大きく、改善が必要です。保護者と教師が互いに理解し合い、協力することで、より良い部活動を実現できるのではないでしょうか。