米中貿易摩擦激化:中国、米国製品に追加関税で対抗措置

米中貿易摩擦が激化の一途を辿っています。中国政府は米国からの輸入品に対し、最大84%の追加関税を発動しました。これは、トランプ前政権下で導入された相互関税への報復措置とされています。

中国、徹底抗戦の構え崩さず

中国外務省は、トランプ前大統領が要求する関税撤回に応じる姿勢を見せておらず、「最後まで付き合う」と強硬な姿勢を維持しています。追加関税以外にも、レアアースの輸出規制、米国企業への制裁、世界貿易機関(WTO)への提訴など、多岐にわたる報復措置を講じています。

中国外務省の林剣氏中国外務省の林剣氏

国民に対しても、米国への旅行や留学に関する注意喚起を行うなど、米中対立の影響は広範囲に及んでいます。さらに、米国映画の輸入についても「適度に減らす」方針を明らかにしました。中国政府は、米国の関税によって「観客の米国映画に対する好感度が低下する」と主張し、代わりに「世界のより多くの国の優れた映画を導入し、市場の需要を満たす」としています。

世界経済への影響懸念

中国外務省の林剣副報道局長は、報復措置の理由について「自国の主権や安全、発展の利益を守るためだけでなく、国際的な公平性と正義、多国間貿易体制、国際社会の共同の利益を守るためだ」と説明し、トランプ前政権による関税措置は世界全体への脅威であると強調しました。

経済専門家の山田一郎氏(仮名)は、「米中貿易摩擦の激化は、世界経済に深刻な影響を与える可能性がある」と指摘しています。「両国は世界経済の牽引役であり、貿易戦争の長期化は世界的な景気後退を招く恐れがある」と警鐘を鳴らしています。 世界1、2位の経済大国である米中が関税を掛け合う貿易戦争が今後エスカレートすれば、世界経済への打撃は避けられないとみられています。

報復措置の多様化

中国は、米国に対する報復措置として、関税以外にも様々な手段を講じています。例えば、ハイテク産業に不可欠なレアアースの輸出規制は、米国企業に大きな影響を与える可能性があります。また、WTOへの提訴は、国際的なルールに基づいて米国の措置の違法性を訴えるもので、長期的な戦略として注目されています。

今後の展望

米中貿易摩擦の行方は、世界経済の動向を左右する重要な要素となります。両国が対話を通じて妥協点を見出し、緊張緩和に向かうことができるのか、今後の動向に注目が集まっています。 世界各国も、米中対立の激化による経済への影響を懸念しており、事態の推移を注視しています。