近年、宗教団体における性暴力事件が社会問題となっています。今回、天台宗の尼僧が、14年にわたり住職から性暴力を受けていたとして、教団の対応を批判する記者会見を開きました。本記事では、事件の概要と被害者の訴え、そして今後の展望について詳しく解説します。
14年間の性暴力被害と沈黙を破った尼僧の勇気
香川県にある天台宗寺院の尼僧、叡敦(えいちょう)さんは、寺の住職から長年にわたり性暴力を受けていたと告発しました。叡敦さんは、加害者の僧侶A氏と、A氏の師匠であり、叡敦さんの訴えを無視したB氏に対し、僧籍剥奪を求めていました。しかし、天台宗の審理局は、A氏の罷免、B氏については懲戒に該当しないという判断を下しました。この判断に対し、叡敦さんは沈黙を破り、記者会見で教団の対応を強く批判しました。
alt 会見で涙を拭う尼僧・叡敦さん
教団内部の審理の不透明性:被害者の声は届かず
叡敦さんは、教団に第三者委員会の設置を求めていましたが、却下され、内部の審理局による非公開の審理が行われました。驚くべきことに、叡敦さんは一度も審理の場で証言する機会を与えられませんでした。刑事裁判であれば、被害者からの聞き取りは不可欠ですが、教団の審理ではそれが無視されたのです。 著名な宗教法学者、山田教授(仮名)は、「宗教団体内の審理は透明性を欠く場合が多く、被害者の権利が十分に保護されないケースが見られる」と指摘しています。
alt 叡敦さんによって綴られた性行為の強要や恫喝の詳細が記された手紙
被害者による不服申し立てと第三者委員会設置の訴え
審理の結果、A氏は罷免となりましたが、僧籍は剥奪されておらず、別の寺院で僧侶として活動する可能性も残されています。B氏に至っては、一切の処分を受けていません。叡敦さんは、この不当な判決に対し、宗務総長に不服申し立てを行うとともに、改めて第三者委員会の設置を強く訴えています。 被害者支援団体代表の佐藤氏(仮名)は、「宗教団体は、性暴力被害者を守るために、透明性のある調査と公正な処分を行う責任がある」と述べています。
今後の展望:宗教団体における性暴力問題への取り組み
この事件は、宗教団体における性暴力問題の根深さを改めて浮き彫りにしました。 叡敦さんの勇気ある告発が、他の被害者たちが声を上げるきっかけとなり、宗教団体が性暴力撲滅に向けた具体的な対策を講じる契機となることが期待されます。 jp24h.comでは、今後もこの問題を注視し、最新情報をお届けしていきます。