レソト:トランプ関税の衝撃、50%関税でアフリカ最貧国に大打撃

アフリカ南部の小国レソト。九州ほどの国土に、230万人ほどの人々が暮らすこの国は、世界最貧国のひとつとして知られています。主要産業は繊維業と農業で、中でもアメリカへのジーンズ輸出は経済の大きな柱となっています。そんなレソトに、トランプ前大統領による相互関税という衝撃が走りました。なんと50%という高率の関税が課せられたのです。このニュースは、レソトの人々に大きな不安をもたらしています。

レソト経済を支えるアメリカへの輸出

レソトの1人あたりGDPは、世界銀行の2023年の調査によると、わずか916ドル。これは日本の約30分の1に過ぎません。国内の多くの繊維工場では、アメリカの有名ブランドのジーンズが製造され、輸出されています。レソト貿易産業ビジネス開発省のマリネオ・セボホリ氏によると、繊維企業の約42%がアメリカに輸出しており、昨年の輸出額は2億4000万ドルにものぼります。一方、アメリカからの輸入額はわずか280万ドル。この輸出の差は、レソト経済にとってアメリカ市場がいかに重要であるかを示しています。

レソトの繊維工場レソトの繊維工場

50%関税の衝撃と雇用への影響

トランプ前大統領が発表した相互関税。日本の2倍以上となる50%という高率は、レソト経済に深刻な打撃を与えると懸念されています。「本当に衝撃的なニュースでした。アメリカ市場は非常に大きく、すべての企業、ビジネスが依存しています」と、レソトの繊維会社で働くテボホ・コベリ氏は語ります。輸出に依存するレソトでは、港までの物流も重要な産業の一つ。セボホリ氏は、関税措置によって関連業界を含め、多くの雇用が失われる可能性を指摘しています。「このまま何も対策を講じなければレソトの多くの人は失業するでしょう」とコベリ氏の言葉は深刻です。

レソトの地図レソトの地図

レソト政府の対応と未来への模索

この危機的状況に対し、レソト政府は速やかにワシントンに代表団を派遣し、税率の引き下げなどを交渉する方針です。また、コベリ氏は、アメリカ向けの大量生産ラインはどのような需要にも対応できるとして、日本や韓国、ヨーロッパとの新たな取引も模索したいと語っています。 国際経済アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「レソトのような小国にとって、大国の政策変更は大きなリスクとなります。多角的な貿易関係の構築が、今後の経済安定のカギとなるでしょう」と指摘しています。 レソトの未来は、この関税問題への対応、そして新たな市場開拓にかかっています。

新たな市場開拓への期待

日本市場への期待も高まっています。高品質なジーンズ生産で知られるレソトの製品は、日本の消費者にも受け入れられる可能性を秘めています。コベリ氏は、「日本の高い品質基準を満たす自信がある」と述べ、日本市場への進出に意欲を見せています。

レソトの国旗レソトの国旗

レソトの挑戦は始まったばかりです。