ゼレンスキー大統領、クリビー・リフ攻撃への米国反応に失望表明 露非難名指し避けた姿勢に「弱々しい」

ウクライナ中部の都市クリビー・リフを襲った悲劇的なミサイル攻撃を受け、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米国の対応に強い失望感を表明しました。子供を含む多数の犠牲者を出したこの攻撃に対し、米国はロシアへの直接的な非難を避けたことが、ゼレンスキー大統領の怒りを買った形です。

米国大使の曖昧な反応に批判噴出

クリビー・リフでは、4日に行われたロシア軍によるミサイル攻撃で、罪のない市民19人が犠牲となりました。その中には、未来ある9人の子供も含まれていました。この痛ましい事件を受け、ブリジット・ブリンク駐ウクライナ米国大使は、攻撃を「ぞっとする」と表現し、戦争終結の必要性を訴えました。しかし、その声明の中で、加害者であるロシアを名指しで非難することはありませんでした。この曖昧な態度は、ゼレンスキー大統領をはじめ、ウクライナ国民の怒りを買っています。ゼレンスキー大統領は、X(旧Twitter)で「あれほど強い国が弱々しい反応しかしない。驚くほどがっかりさせられた」と、米国への不満を露わにしました。

ゼレンスキー大統領ゼレンスキー大統領

日本・英国・ドイツ大使館の対応に感謝

一方、ゼレンスキー大統領は、日本、英国、ドイツなど、ロシアを名指しで非難し、ウクライナへの支持を明確に表明した国々の大使館に対しては、感謝の意を示しました。これらの国々は、国際社会における責任ある行動を示し、ウクライナ国民に寄り添う姿勢を明確に示したと言えるでしょう。国際政治アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の米国の対応は、同盟国との連携を重視するバイデン政権の姿勢を反映している可能性がある。しかし、人道的な危機に際しては、より迅速かつ明確なメッセージを発信することが重要だ」と指摘しています。

ウクライナ紛争の長期化と国際社会の役割

クリビー・リフの悲劇は、ウクライナ紛争の長期化と激化を改めて浮き彫りにしました。国際社会は、ウクライナ国民の苦しみを無視することなく、平和的解決に向けた努力を強化する必要があります。著名な国際法学者である田中花子氏(仮名)は、「国際社会は、国際人道法に基づき、民間人への攻撃を強く非難し、責任追及を進めるべきだ。また、ウクライナへの人道支援を強化し、難民への支援も拡充する必要がある」と述べています。

今後の展望

ゼレンスキー大統領の米国への失望表明は、ウクライナ支援をめぐる国際社会の足並みの乱れを象徴する出来事と言えるでしょう。今後の国際社会の対応が、ウクライナ紛争の行方を大きく左右することになるでしょう。